なでしこジャパン(日本女子代表)DF清水梨紗が、会心の一戦を振り返った。1月30日の女子アジアカップ準々決勝でタイに7-0で勝利。鮮やかな連係から生まれた2点目に絡むなど、攻守に安定した働きを見せた。

上写真=試合後のオンライン会見で報道陣の質問に答えた清水(写真◎スクリーンショット)

■2022年1月30日 女子アジア準々決勝(インド・ナビムンバイ/無観客)
日本女子 7-0 タイ女子
得点者:(日)菅澤優衣香4、宮澤ひなた、隅田凜、植木理子

「ボールを握ることが自分の良さ」

 なでしこジャパンはタイを下してベスト4進出を決め、2023年女子ワールドカップ出場権を獲得した。清水は「ワールドカップへの切符を取るのは絶対条件だったので、成し遂げられたことはよかったと思います」と語る一方、試合展開を振り返って「自分が高い位置でボールを握れることが多く、そこからトップへのパスや(MF長谷川)唯とのコンビネーションを意識していましたが、まだ精度が足りない部分もあったので、もっと詰めていかなければいけない」と課題も挙げている。

 グループステージの3試合同様、立ち上がりからボール支配率で上回る展開となり、右サイドバックの清水も自ら語るように、高い位置でパスを受けるシーンが多かった。それでも池田太監督が求める守備戦術において「ボールを握っているシチュエーションが多く、攻撃という頭になりがちですが、自分が最終ラインの一員であることは、よりいっそう、この大会は考えるようになっている」という。

 守備のバランスを考えつつ、攻撃で効果的な働きを見せた。1-0で迎えた前半アディショナルタイムの45+2分には、右サイドでボールを持つ長谷川を追い越してパスを引き出すと、ダイレクトでFW岩渕真奈へ。岩渕と長谷川もダイレクトパスを交換して右サイドを破り、岩渕のセンタリングからMF宮澤ひなたが2点目を決めた。ダイレクトパス4本で崩した鮮やかな連係。今大会、前半のうちに2点のリードを奪ったのは初めてで、その後の試合展開を考えても貴重な追加点だった。

 タイの守備について清水は「真ん中を固めている印象が強く、サイドから侵入していくのが有効的だと、試合に入ってすぐ思った」と語る。「クロスばかりではなく、崩しもやっていきたいと唯と話していた」といい、「ぶちさん(岩渕)が良い形で落ちてくれて、唯がその後にかかわってくれると思いました。あのコンビネーションは意図していることが全員同じだったと思うので、すごく良いシーンだった」と胸を張った。

 逆サイドとのバランスも考えていた。この日の左サイドバックは日テレ・東京ヴェルディベレーザのチームメイトであるDF宮川麻都。「麻都の良さは自分とは違う。左サイドハーフが(宮澤)ひなたで、つなぎ役になることが麻都には適している役割だった」との考えを示し、「麻都も良いプレーをしていたので、自分も負けないように、という思いで90分間やっていた」と心境を明かした。

 W杯出場権を獲得し、今後は3連覇への過程で、世界を見据えたチーム力アップも目指す。「ボールを握ることが自分の良さ。ビルドアップはもっと精度を上げなければいけないと、この数試合やって思っている」と反省点を口にした清水は、「細かい部分ですが、試合でないと合わせられない部分もたくさんある。積み重ねていきながら、ワールドカップに向けての積み上げも必ずやっていかなければいけない」と準決勝以降に視線を向けた。


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