上写真=フル出場した高橋。試合終了直後、安堵の表情で勝利の喜びを分かち合った(写真◎AFC)
■2022年1月24日 女子アジア杯GS第2戦(インド・プネー/無観客)
ベトナム女子 0-3 日本女子
得点者:(日)成宮唯2、熊谷紗希
攻撃参加から先制点へのクロス
「フル出場することができて、勝利に貢献できたことはまず、すごくホッとしています」
試合後のオンライン会見で開口一番、安堵の思いを口にした。なでしこジャパンは現地時間1月24日のベトナム戦に3-0で勝利。DF熊谷紗希とCBでコンビを組んで先発した高橋は、フル出場で勝利に貢献した。
21日のミャンマーとの第1戦と同様に、立ち上がりから多くのチャンスがありながらも先制できない、じりじりするような展開。突破口を切り開いたのは、高橋の攻撃参加だった。38分、敵陣左サイドのスペースに走り込んでパスを受け、右足で斜めのクロス。味方には合わなかったが、相手GKがファンブルしたところをMF成宮唯が押し込み、均衡を破った。
ビルドアップの際に「センターバックが(ボールを)持ち運べるということが試合前の分析であったので、意識しようと紗希さんとも話していた」という。自らドリブルで運んだ形ではなかったが、「ああいうアバウトなボールからゴールにつながることもあると、練習から言われていますし、斜めのボールは狙っていた」と振り返る。「もう少しきれいに入れば理想的だったかもしれないですけど、結果的に得点につながったのでよかった」と語る通り、前半のうちに先制できたことは大きく、貴重な働きとなった。
「しっかり試合に勝つこと、無失点に抑えること、対峙する目の前の相手には絶対に負けないことを意識した」90分間で、課題も感じている。攻撃では「もっとコンビネーションの質を上げて、ゴールに迫れるシーンを増やさなければいけない。決定力も高めなければいけないと、チーム全員が感じていると思う。セットプレーから私自身もチャンスがあったので、次に決めたい」。守備では「ベトナムのワンタッチのロングフィードやカウンターを警戒していましたが、ピンチになりそうなシーンがあったので、しっかり修正していきたい」と今後を見据えた。
2連勝でベスト8進出が決まり、27日の韓国との第3戦はグループ首位通過が懸かる。「対韓国は、女子もそうですし、男子も、すごく激しい戦いになるイメージがある。国のプライドを懸けた戦いには、より気持ちが強くなると思う」と予想した高橋は、「まずは気持ちと、戦う姿勢は、絶対に見せなければいけない。その中であわてずに日本らしいパス回しをして、相手を翻ろうできれば、こちらのペースに持っていけると思う」と続けた。
ただ、最後に「でも、まずは気合です!」ときっぱり。自身の持ち味を「とにかく全力で、気持ちのこもったプレーをしようと心がけている」と語るDFは、メンタル面の重要性を強調していた。