AFC女子アジアカップに出場するなでしこジャパンは1月21日、ミャンマーと初戦を戦う。池田太監督とともに2018年のU-20女子ワールドカップで世界一になったメンバーの一人、林穂之香は、ボランチとしてその堅実性と一瞬の迫力でゴールを狙っていく。

上写真=林穂之香の存在感は増している。中盤を制するリーダーになる(写真◎山口高明)

「短いボールと長いボールを織り交ぜて」

 池田太監督が指揮を執って初めての対外試合となった、11月のオランダ遠征。アイスランドに0-2で敗れたあとのオランダ戦は0-0に終わったのだが、ボランチのコンビネーションに大きな可能性を見せた。

 長野風花と組んだのが林穂之香。2018年のU-20女子ワールドカップで、池田太監督の下で世界女王になったときのコンビである。

 ポジショニングの連動とパス交換で息の合ったところを何度も見せて、近未来のなでしこジャパンの創造性を示した。間もなく開幕するAFCアジアカップでもともにメンバー入りしていて、池田監督がアジアの戦いで2人をどのように起用するかは興味深い。

 林は昨年は、スウェーデンのAIKに移籍し、東京オリンピックにも出場して順調なステップアップを見せてきた。そのスウェーデンでは、ヨーロッパのスタイルを肌で感じて吸収する日々だ。

「しっかりつなぐところと縦へのスピード感、サイドチェンジからゴールへ向かう迫力はやはり海外の選手たちという感じです。つないでいくところからスピードアップへのタイミングや長い距離のボールは、いままであまり使いませんでしたが、だいぶ周りを見ることができるようになってボールを出すタイミングをつかめてきました」

 そんな実感がある。今度はそれをなでしこジャパンに組み込む番だ。

「​サイドチェンジは何回かトライする場面はこれまでもありましたし、チームの試合の進め方も見て、短いボールと長いボールを織り交ぜて攻撃にテンポを作っていければと思っています」

「攻撃の部分では、いままで効果的に左右と中央の使い分けができていなかったので、ほぐして刺す、という形もいま意識してやっているところです」

 堅牢な中央の守備を「ほぐす」というのがまた、絶妙な表現だが、そのために林の総合力が生きてくる。

「守備のところでしっかり奪うこと、気を利かせてポジションのバランスを取っていくことは出していきたいですし、ボランチとしてはビルドアップのところ、攻撃のところでミスなく安定性を出していきたいと思っています」

 安定、からのひと突き。アンダーカテゴリーで世界の頂点に立った林の一瞬の判断が、アジアチャンピオンへの合図になる。


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