勝負どころは「グループ1位突破」
――インドで行われるアジアカップでは、ミャンマー、ベトナム、韓国と戦うグループCに入りました。中2日での連戦という厳しい日程です。
池田監督 コンディションのことも含めて、対戦相手を考えてどう戦うか。ミャンマー、ベトナム、韓国に対してどうしていこうか、選手にはどういったことを伝えていこうかと考えています。準備期間は短いので、何をセレクトして伝えるかになってきますが、さまざまな準備を並行して進めています。
――明かせないことも多いでしょうが、3カ国をどのように見ていますか。
池田監督 ミャンマーはアンダーカテゴリーで力をつけてきていて、奪ってから速い攻撃を仕掛ける選手がいます。個人としてもチームとしても特長があるので、カウンターには気をつけなければいけません。ミャンマー戦は初戦ですので、大会への入り方という点でも重要なポイントになってきます。
ベトナムは男子もそうですが、サッカー熱が本当に高い国です。ボールをしっかり動かそうという意図も感じられるチームで、チームとしての力をつけているという印象があります。
そして韓国はアジアの中では経験が豊富な選手もいますし、監督が狙うサッカーを実現しようとトライしているチームです。選手の特徴やチームの戦い方をさらに分析しながら、戦い方は考えていきます。
――今回は参加12カ国からワールドカップ開催地のオーストラリアを除いた11カ国のうち、5カ国が本大会の出場権を手に入れることができます。そのレギュレーションや対戦相手、環境面や移動の有無など総合的に考えて、勝負どころになるのはどこでしょうか。
池田監督 大会の入りということで初戦を大事にするのはもちろんですが、グループステージでしっかり1位通過するところだと考えています。状況によっては2位でも3位でもノックアウトステージに進出できることになりますが、1位を目指します。そうなると会場が変わることにはなりますが、1位で進んで、次の相手を分析しながら戦っていくという手順を踏んでいきたい。ですから、まずは最初の3つをしっかり戦うところに重きを置いています。
――このアジアカップは、ワールドカップ出場権獲得、大会3連覇という目標だけではなく、2023年のワールドカップへの強化という意味でも重要な大会にしたいですね。
池田監督 まずはアジアの頂点を目指して戦います。もちろん、FIFA女子ワールドカップ予選を兼ねていますので出場権を獲得すること、その上で戦い方のバリエーション、選手の配置もそうかもしれませんが、いろいろとトライしながら大会を通してチームを成長させていきたいと思っています。
出場権をしっかり取ったあとは、7月のE-1サッカー選手権や9月のアジア競技大会、国内トレーニングキャンプ、親善試合を含めて、ワールドカップへ向けた底上げを図れるイメージは持っています。まずはアジアカップでしっかりとベースアップを図りながらも結果を求めていくことを、欲張りですけど求めていきたいと思います。
取材・構成=平澤大輔
【なでしこジャパン スケジュール】
■トレーニングキャンプ
1月11日〜15日 高円宮記念JFA夢フィールド
■AFC女子アジアカップインド2022
・グループステージ(グループC)
1月21日 vsミャンマー
1月24日 vsベトナム
1月27日 vs韓国
・トーナメント
1月30日 準々決勝
2月3日 準決勝
2月6日 決勝
■FIFAインターナショナルウィンドウ
4月4日〜12日
6月20日〜28日
■トレーニングキャンプ
7月13日〜17日
■EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会
7月19日〜27日 中国
■アジア競技大会
9月7日〜25日 中国・杭州
■国際親善試合
10月6日 ノエビアスタジアム神戸
10月9日 長野Uスタジアム
■FIFAインターナショナルウィンドウ
11月7日〜15日
■FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023
2023年7月20日〜8月20日
■池田 太(いけだ・ふとし)
・生年月日:1970年10月4日
・出身地:東京都
・サッカー歴:武南高校→青山学院大学→浦和レッドダイヤモンズ
・指導歴:浦和レッズ・ユースコーチ→浦和レッズ・ユース監督→浦和レッズ・ユースコーチ→浦和レッズ・トップチームコーチ→浦和レッズ・ハートフルクラブコーチ→アビスパ福岡コーチ→U-19日本女子代表監督(2017年)→U-20日本女子代表監督(2018年)→U-19日本女子代表監督(2019年)→U-20日本女子代表監督(2020年)
・賞歴:AFC U-19女子選手権2017優勝、FIFA・U-20女子ワールドカップ優勝(2018年)、AFC会長特別賞受賞(2018年)、AFC U-19女子選手権2019優勝