オランダ遠征中のなでしこジャパン(日本女子代表)は25日(日本時間27時40分)にアイスランド戦に臨む。池田太監督就任後、初めての対外試合。オンラインで取材に応じたDF熊谷紗希は来年1月の女子アジアカップを見据え、「チームとして積み上げたい」と意気込みを語った。

上写真=オンラインで取材に応じた熊谷紗希(写真◎スクリーンショット)

いいスタートが切れている

「監督が代わり、新しいチームということで、監督の色々なやり方、スタイル、雰囲気がある中、私自身もすごく楽しみに、この合宿に臨んでいます。練習はまだ2日ですけど、すごく良い雰囲気でトレーニングできています」

 オランダ遠征に参加した熊谷は、池田太監督体制でリスタートを切ったチームについて、ポジティブな印象を抱いていた。「全員が新しい選手というわけではないですけど、新しい目標に向かっていくという意味ではいいスタートを切れているのではないかと思います」。19年の女子W杯でも上位進出は果たせず、今夏の東京五輪でも目標だったメダルを取れなかった。来年1月の女子アジアカップ、そしてその先の女子W杯(2023年)で結果を出すことが「新しい目標」だ。熊谷も気持ちをリセットして今回の代表活動に臨んでいる。

 合宿の期間は短いものの、熊谷は25日のアイスランド戦、29日のオランダ戦について、チームとしてしっかり「積み上げること」「チャレンジすること」が大事になると説明する。「最初からうまくいくわけではないし、(チームとして)2回合わせてアイスランド戦を迎えるので、エラーは出るかもしれない。ただ次につながるエラー、狙いを持ったチャレンジの中から、次につながる、修正を利かすことのできるチャレンジを、個人でもチームとしてもしていきたい」と、先を見据えて積極的にチームコンセプトを実践していくことが重要と強調した。

 ポイントになるのは池田監督が求める「ボールを奪う守備、アグレッシブに前にいく守備」だ。熊谷は「試合でも出していきたい。その中で出てくるエラーを修正して、トライしていけるようにしたい」と語る。また、近年のなでしこジャパンの課題に挙げられる相手のサイド攻撃に対する対応についても、確認したいとした。国際大会でもクロスを入れられた際に守備で問題を抱えたケースは多かった。今回対戦するアイスランドも、オランダもサイド攻撃から高さを生かして攻めるのが一つの特長。修正の度合いを確認するには格好の相手だろう。

 2011年に女子W杯で優勝した直後に浦和レッズレディースからフランクフルトへ移籍し、13年にリヨン、今年からバイエルンと10年にわたってヨーロッパで戦ってきた。熊谷は現代表で、最も経験豊かな選手だ。若い選手に対して、その豊富な経験をプレーで示し、「伝えられることは伝えていきたい」と本人も話す。池田監督のもとで歩み始めた新生なでしこジャパンでも、熊谷は守備の要としてだけではなく、チームの柱として期待される。


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