上写真＝11分にディエゴ・オリヴェイラがあっという間に先制。FC東京らしくスピーディーなゴールだった（写真◎J.LEAGUE）
■2021年3月28日 JリーグYBCルヴァンカップ第2節（＠味スタ／観衆：6,512人）
FC東京 2-0 神戸
得点：（F）ディエゴ・オリヴェイラ、三田啓貴
「予測していた中でミスが失点につながってしまった」
立ち上がりの3分間の2ゴールで勝負ありだった。
FC東京は11分、岡崎慎の右からのミドルパスが相手最終ラインの裏をきれいに突き、抜け出したディエゴ・オリヴェイラがGK廣永遼太郎を右にかわしてゴールに流し込んで先制。14分には相手の最終ラインでのつなぎのミスを拾った三田啓貴が左足を振り抜いてゴール右に突き刺し、あっという間に2点をもぎ取った。
開始間もない二つのゴールで、ゲームの行方は決まった。FC東京は慌てずにボールを動かしながら、時折得意の速さを生かしてゴールに迫る。
FC東京が主力級を先発させたのに対し、神戸はリーグ戦で出番の少ない選手たちが大半。その差は顕著で、神戸はパスが合わなかったりサポートが少なかったりと、チームとしての連動というよりは個で対応する場面が目立っていた。
神戸はそれでも25分に小田裕太郎が右足で、54分には中坂勇哉がヘッドで狙うが、あと一歩届かない。59分には山口蛍、セルジ・サンペールのボランチと最前線に藤本憲明を投入、三浦淳寛監督が「中盤でもっとパワーを持って、しっかりした展開でサイドから攻めたいという意図がありました」という狙いを込めて2点を追うが、面白いのが、前へ出て行く強さを加えた分、入れ替わるようにその裏側を突いてFC東京がチャンスを増やしたことだ。63分、66分など、いずれもロングカウンターでゴールに迫って神戸を脅かした。
神戸は72分にDF菊池流帆を最前線に入れて高さを加え、クロスの精度の高い酒井高徳も同時に左サイドバックに入れて角度のある鋭いボールを供給するなどゴールを目指したが、1点が遠かった。三浦監督は「2点とも予測していた中でミスが失点につながってしまったのは反省しなければいけない」と立ち上がりの失点を悔やんだ。
FC東京はこれでリーグ戦から公式戦3連勝。長谷川健太監督は、チーム力が上がってきた実感を口にした。
「今日はルヴァンカップの予選という点でも、リーグで少しずつ内容が伴って結果が出ている中でも、大事な試合と位置づけて戦いました。この試合で内容も結果も悪いとまた流れを持ってくるのに時間かかりますから、継続という意味では非常にいいゲームができたと思います。最初に2点を取れたので、東京らしい立ち上がりが再現できたと思います」
相手のミスを逃さずに素早く仕留めて逃げ切るスタイルが、帰ってきた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
