上写真=加入1年目の今季、リーグ戦フルタイム出場を続けている温井。加入後初得点で勝利に貢献した(写真◎石倉利英)
■2024年4月27日 J3リーグ第11節(@Axis:観衆1,711人)
鳥取 2-1 琉球
得点:(鳥)温井駿斗、田中恵太
(琉)富所悠
「目に見える結果を出せた」
0-1とリードされた鳥取は38分、エリア外右サイドでFKのチャンスを得た。セットしたボールの近くに立った温井とMF普光院誠は、2つの点について話し合ったという。
まず、どちらが蹴るか。もう1つは直接狙うか、ゴール前に蹴って味方に合わせるか。キッカーは温井が務めることに決まったが、直接狙うかどうかの判断は温井に任されていた。
普光院から「自分が走ったらGKが動くんじゃないか」と提案があり、助走から蹴るふりをしたときの琉球GKパク・ソンスの動きを見て、どちらかを決めることになった。中央の味方には準備しておくように伝え、まず普光院がスタート。ボールをまたいで通過すると、温井が「GKが少し動いたので、それを見ながら思い切ってゴールを狙って蹴った」という左足シュートでニアサイドを破った。
開始わずか39秒で失点した鳥取は、その後もピンチの連続で苦しい展開を強いられていた。それでも「全体が我慢強く守り、最後のところで体を張ったりするプレーができていた」と温井が語る踏ん張りでしのぐと、自ら同点ゴール。これで試合の流れが変わり、43分にはDF田中恵太が決めて逆転すると、そのまま2-1で勝利をつかんだ。
加入後初得点で勝利に貢献し、「チームの力になりたいと思っていて、こうやってゴールという目に見える結果を出せたのはよかったです。最終的に勝つことができた、それにつながる1点だったので、すごくうれしい」と笑顔。鳥取は第8節で今季ホーム初勝利を挙げたが、会場はオールガイナーレYAJINスタジアムで、Axisバードスタジアムでは今季初勝利となり、「10節まで勝てず、やっと、こちらでも勝てたので、少しホッとしています」と喜んだ。
取材・写真◎石倉利英