上写真=1失点に抑えて勝利の立役者の一人となった糸原。エリア外へ飛び出してのクリアなど広範囲をカバーした(写真◎石倉利英)
終盤は冷静なクロス対応
この日の会場は鳥取市のAxisバードスタジアムではなく、練習拠点としている米子市のオールガイナーレYAJINスタジアム。糸原は「普段なかなか鳥取市まで足を運べない方や、米子市から近いところに住んでいる方に、身近なところでの試合で、結果で恩返しできるチャンスだった」と位置付けていた。
鳥取は3分に先制したものの、その後にピンチもあり、27分にはロングスローのこぼれ球を蹴り込まれて同点とされた。それでも「自分にできることを、しっかりやることに集中できました。失点はありましたが、自分ができたこと、できなかったこと、失点がどうだったかは冷静に分かっていた」と糸原。前半終了間際には今治DF櫻内渚のミドルシュートを好セーブで防ぐなど、最少失点で踏ん張った。
後半も相手のロングパスをエリア外に飛び出してヘッドでクリアするなど、広い範囲をカバーして守備を支えた。鳥取が61分に勝ち越し点を奪った後、今治は194センチの長身FWラルフ・セウントイェンスへのクロスなどで同点を狙ってきたが、糸原の的確なポジショニングとクロス対応などで守り切った。
増本浩平監督が勝負の時期と位置付ける9月と10月での上位追撃に向けて、勝ち点3を積み上げて8位に浮上した。「増本監督も試合前に言っていましたが、目の前の1試合で勝つことが大事。勝ち点は1試合で3しか取れないので、その3を確実に取れるように、GKとしての役割を果たしていきたい」と力強く語った糸原は、「それができれば、おのずと昇格も近くに見えてくるだろうし、10月が終わったとき2位、3位といった順位にいることができると思う」と今後を見据えていた。
取材・写真◎石倉利英