上写真=見事なゴールを決めた田中(中央)が会心の表情でベンチへとダッシュ! 勝利に近づく貴重な追加点となった(写真◎石倉利英)
■2023年9月9日 J3リーグ第26節(@Axis:観衆1,661人)
鳥取 2-0 YS横浜
得点:(鳥)富樫佑太、田中恵太
「狙ったとおりに蹴ることができた」
13分に先制して1-0で前半を終えた鳥取は、後半に何度も追加点のチャンスがありながら決められずにいたが、72分に田中が嫌な流れを断ち切った。MF普光院誠が蹴った左CKを、エリア外中央で待ち構えてダイレクトの右足ボレー。鮮やかにファーサイドのネットを揺らして2-0とすると、興奮の表情でチームメイトと喜びを分かち合った。
「マコ(普光院)がCKを蹴りに行く前に『俺に出せ』と言っていた」と事前のやり取りを明かす。要求して訪れたチャンスを「思ったよりも自分の方にボールが来たので、立って蹴る形になってミートだけを意識したら、すごく良い軌道で、狙ったとおりに蹴ることができた」と語る一撃で仕留め、「キャリアでもベストのゴールだと思います」と胸を張った。
決まった直後、ベンチ前では増本浩平監督が『信じられない』という表情で頭を抱えていた。事前の練習では、うまくいかないことが多かったそうで「(あの位置からのシュートは)常に狙おうと言っていましたが、僕も予期していないタイミングだった。やらないかと思っていたら、マコがサインを出していたので、あれっと思った」という。事前の準備が奏功した貴重な追加点を「見たことあります? あんなにきれいに決まることは、なかなかないと思う。すごいなと思って、ちょっと興奮しました」と振り返った。
鳥取は前節までアウェーで連敗しており、流れを変えたい一戦でホーム3連勝を飾った。チームの課題と収穫を「攻撃が停滞するところがあるので、相手の背後を狙うのはチームとして取り組んでいた。それがつながらなくても、その後のボールを拾って攻撃できたシーンもあったので、そういうところが良かった」と指摘した田中だが、「ただ、もっと整理しなければいけない部分も、たくさんあります」と強調し、残り12試合での上位追撃を誓っていた。
取材・写真◎石倉利英