ガイナーレ鳥取GK高麗稜太が、地元の小・中学生にGKの魅力を広める活動を行なった。専門のコーチに教えてもらう機会が少ない状況を変えるべく、トップチームの選手・コーチによるGKクリニックを企画・実施。無料で参加できる仕組みも整えて大好評を博し、今後も継続していきたいと意欲を燃やしている。

上写真=自身が企画したGKクリニックを形にした高麗。学生時代の経験がベースになっている(写真◎石倉利英)

参加者は無料で受講

 8月1日に鳥取の練習拠点・オールガイナーレYAJINスタジアムで開催された『2023ガイナーレGKクリニック』は、小学4年生から6年生までの『U12クラス』と、中学1年生から3年生の『U15クラス』の2カテゴリーで実施。各クラス15人の定員が埋まるほどの人気を集め、それぞれ1時間ずつ専門的な指導が行なわれた
 
 指導スタッフは、現在トップチームに在籍しているGKの糸原紘史郎、井岡海都、高麗の3人と、トップチームの金鐘達GKコーチ。シーズンの合間を縫ってプロの選手とスタッフが実施したクリニックは、高麗が企画したものだった。

 プロ1年目の高麗は昨年度までプレーしていた拓殖大時代、「指導経験を学びたかった」との思いで、クラブチームのスクールなどでGKコーチのアルバイトをしていた。幼稚園生から中学生までの指導をしながら力を伸ばしてプロになったが、あらためて日本におけるGKコーチの少なさを実感したという。

「GKコーチの少なさが日本の課題ですが、鳥取に来てみて、こんなにもGKを教えるスクールがないのかと感じました。きちんと専門の指導を受けている子どもたちが、どのくらいいるのか。鳥取でGKスクールの活動をすることで、GKをやりたい、GKでプレーするのが楽しい、もっと上のレベルを目指したい、という子どもたちが増えてほしいと思いました」

 学生時代の経験を生かし、クリニックのメニューやイベントのプログラムは自分で考えたという。またクラブのスタッフに協力してもらい、個人・企業・団体に『こどもみらいチケット』の購入を呼びかけることで、参加者が誰でも無料で受講できる仕組みも整えた。

 当日は好天にも恵まれ、高麗は「子どもたちにも、保護者の皆さんにも『すごくよかった』と言ってもらえました。やってよかったです」と笑顔。参加したかったが都合がつかず残念、という声も聞いており、「数カ月に一度くらい開催できればと思っています。今後も続けていきたい」と今後を見据えた。

 プレー面では、2人のライバルとの競争の日々が続いている。6月の明治安田生命J3リーグ第13節でJリーグデビューを飾ったものの、直後に右ヒザ内側側副靭帯損傷で戦線離脱。悔しい結果となったが、「ケガをしていた期間は、GKの原理原則を頭の中で整理する良い機会になりました。うまくプラスに変えて、ポジション争いで勝負していきたい」と前向きにとらえ、正GKの座を奪回すべく燃えている。

取材・写真◎石倉利英


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