上写真=蒸し暑い中での一戦。鳥取が逆転して勝利に近づいたが、FC大阪が土壇場で追い付いて引き分けに(写真◎石倉利英)
■2023年7月1日 J3リーグ第16節(@Axis:観衆1,432人)
鳥取 2-2 FC大阪
得点:(鳥)牛之濵拓、田村亮介
(大)古川大悟、木匠貴大
再開のキックオフ直後に試合終了
前日からの雨はやんだものの、試合開始前に再び細かい雨が降り始め、水を含んだピッチはボールスピードが上がりやすい状態に。公式記録で気温は23・7度ながら、湿度88パーセントという蒸し暑さの中で行なわれた。
前半は立ち上がりからFC大阪が意欲的に攻め、前線のスペースへのパスやクロスで得点を狙うが、鳥取の守備を崩すことはできず。鳥取も徐々に反撃に転じ、敵陣でパスをつなぎながらチャンスをうかがうものの、こちらもFC大阪の堅守の前に良い形でシュートを打てず、両チーム無得点で前半を終えた。
後半は一転して点の取り合いとなる。まずは52分、右CKを得たFC大阪は、MF西矢のキックをDF舘野がヘッド。ファーサイドに流れたボールを鳥取GK井岡がキャッチしようとしたが、混戦の中でファンブルし、詰めていたFW古川が蹴り込んで均衡を破った。
だが鳥取も56分、MF世瀬の右CKをDF鈴木が中央でヘッド。これがゴールに向かい、FW牛之濵が右足ボレーで合わせようとしたボールが混戦となって、FC大阪守備陣がクリアできずにゴールラインを割った。牛之濵は空振りしたように見え、本人も場内アナウンスが流れたときに『自分じゃない、鈴木のゴール』というジェスチャーを見せたが、公式記録は牛之濵の得点となり、すぐさま追い付く。
その後は一進一退の攻防が続いたが、次のゴールは87分。FC大阪がゴール前からパスをつないでプレッシャーをかわそうとしたが、鳥取が連動した守備でボールを奪い、MF田村が左サイドからゴール前に蹴り込む。本人が「クロスです。でもミスキックになって、あとは『入れよ』と願っていた」と振り返るボールはゴール前を通過し、そのままファーサイドのネットを揺らして逆転に成功した。
前節までの15試合でリーグ最少の12失点、直近4試合連続無失点だったFC大阪は、3月の第4節以来となる複数失点を屈して追い込まれた。しかし、ここからパワープレーの連続で攻め込み、後半アディショナルタイムの90+5分、舘野が右からのFKをファーサイドへ。DF坂本がヘッドで競り勝った浮き球を、エリア内右サイドの落下点に入ったMF木匠がジャンピングボレーで合わせると、鮮やかにファーサイドに決まって劇的な同点ゴールとなった。
木匠のJリーグ初ゴールが決まり、再開のキックオフ直後に試合終了となってドロー決着。FC大阪の志垣良監督は、失点シーンなどで課題を指摘しつつ「最後に追い付いたことは、本当に選手をほめたい。ウチの強みは気持ちや走力なので、選手全員で勝ち取ってくれた勝ち点1。負けてもおかしくない試合だったと思うが、最後に勝ち点1が取れたので、ポジティブに捉えたい」と振り返った。
取材・写真◎石倉利英
▼出場メンバー
・鳥取: GK井岡海都、DF鈴木順也、増谷幸祐、飯泉涼矢、MF田中恵太、世瀬啓人、長谷川アーリアジャスール(82分:田村亮介)、文仁柱、FW牛之濵拓(68分:小澤秀充)、重松健太郎(68分:澤上竜二)、普光院誠(90+2分:丸山壮大)
・FC大阪:GK永井建成、DF美馬和也、坂本修佑、板倉洸、舘野俊祐、MF禹相皓(82分:町田蘭次郎)、MF西矢健人、田中直基(82分:上月翔聖)、FW今村優介(60分:利根瑠偉)、島田拓海(74分:ジャン・マリー・ドングー)、古川大悟(74分:木匠貴大)