上写真=今季4試合目の出場で自身初、チームの2勝目に貢献した吉丸(写真◎石倉利英)
■2023年6月17日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆2,162人)
鳥取 0-1 北九州
得点:(北)夛田凌輔
「我慢が大事になってくる」
後半アディショナルタイムの90+2分、DF夛田凌輔がこの日2本目、最初の枠内シュートで先制点。次の瞬間、最後尾の吉丸はピッチにひざまずき、握り締めた両拳を何度もピッチにたたきつけて喜びを爆発させた。
リーグ戦では第11節から出場機会を得たものの、前節まで1分け2敗。チームも3月12日の第2節を最後に勝利から遠ざかっていた。「結果が出ていなかったので、何とか勝ち点3が欲しい状況でした。うれしかった」という喜びの直後には、「残り少ないアディショナルタイムを、集中して終わらなければいけないという思いだった」という。
前半の立ち上がりから押し込まれたが、ピンチのたびにファインセーブでしのいだ。25分にセンタリングから鳥取FW富樫佑太が放ったシュートは、DF本村武揚に当たってコースが変わっていたが、体を残して左手で防ぐ。40分にはショートCKからの鳥取DF飯泉涼矢のヘッドをクロスバーの上にはじき出した
圧巻は44分。鳥取はMF文仁柱が左から右へサイドチェンジのパスを送り、エリア内で受けたMF牛之濵拓が戻したボールを、FW重松健太郎がダイレクトで狙う。大きく左右に振られた上に、味方選手の隙間を縫って左下スミへの鋭いシュートが飛んでくる難しい状況だったが、体をいっぱいに伸ばして右手でセーブした。
「マイナスに(牛之濵のパスが)来た時点で、相手選手がいるのは分かっていた」と振り返る。そこから「先に動かないようにして、来たボールに反応することだけを考えていた」というセーブで防ぎ、「うまく反応できました」と喜んだ。
後半も攻め込まれる時間は長かったが、粘り強く守った北九州は試合終了間際の決勝点で久しぶりの勝利。内容について「前半は押し込まれる試合が続いているので、押し返していける力が必要になってくると思う」と語った守護神は、「逆に押し込まれても耐えれば、今日のように点を入れてくれる。攻め込まれても失点ゼロで耐える、我慢が大事になってくるし、チームで耐えていければ、勝ち点は拾っていけるんじゃないかと思う」と今後を見据えていた。
取材・写真◎石倉利英