FC岐阜FW田中順也が、途中出場直後の貴重なゴールで勝利に貢献した。6月4日の明治安田生命J3リーグ第12節・ガイナーレ鳥取戦で59分から出場し、61分にリードを2点に広げる追加点。シュート直前の切り返しは落ち着いていたように見えたが、実は違っていたという。

上写真=61分の田中のゴールシーン。右足で打つかと思いきや切り返し、左足で流し込んだ(写真◎石倉利英)

■2023年6月4日 J3リーグ第12節(@Axis:観衆1,711人)
鳥取 1-2 岐阜
 得点:(鳥)牛之濵拓
    (岐)ンドカ・チャールス、田中順也

先制点のプレーを予言

 前半に先制した岐阜は59分、FW田中順也とMF柏木陽介を同時に投入すると、直後の61分に2点目が生まれた。柏木の左サイドへのロングパスを、鳥取GK糸原紘史郎がエリア外に出て足で味方につなごうとしたところに、MF村田透馬が鋭く詰めてインターセプト。ボールは田中に渡り、ショートカウンターからの決定機となった。

 田中は右足でシュートを打とうとする体勢から、切り返しで間合いを詰めてきたGK糸原のタイミングを外し、左足で冷静にゴールに流し込んで追加点。岐阜は70分に1点を返されたが1点差で逃げ切ったため、勝利につながる貴重な決勝点となった。

 シュート直前のプレーを田中は「ターンして右足で蹴ろうと思いましたが、GKがいたので切り返した」とコメント。GKが寄せてきたのを見極め、冷静に切り返して決めたように見えたが、「落ち着いていたように見えるんですけど、結構、焦っていたので、入ってよかった」と笑った。

 決定機を物にしたストライカーは、12分にFWンドカ・チャールスが決めた先制点の展開を予言していたことも明かした。「試合直前にチャーリー(ンドカ)と『たぶん裏に抜けるチャンスがあるから、しっかりGKの前に持ち出して、1対1を冷静に決めるんだよ』と話していた」という。ハーフウェーライン付近からフリーでボールを運び、1対1を制したンドカのプレーは、まさに予言どおりだった。

 連勝を3に伸ばした岐阜だが、依然として10位。上位を捉えてJ2復帰を果たすためには、さらにチーム状態を上げていく必要がある。「いまやっていることを当たり前にできるようになって、取りこぼさない。僕の経験上、そうでないと優勝する強いチームにならない」とポイントを挙げた田中は、「より多くの攻撃パターンが出たり、いろいろな人が点を取ったり、そういう好循環が生まれるまで、今日のような勝ち方がベース」と続け、この日の勝利を今後につなげていく考えを示した。

現地取材・写真◎石倉利英


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