上写真=古巣との対戦に向けて調整を進める富樫(写真◎石倉利英)
ケガに泣かされた岐阜時代
5月28日の第11節で、鳥取はFC今治に0-3で敗戦。60分から途中出場した富樫はミドルシュートなどでゴールを脅かし、「(出場する前に)外から見ていて、シュートが少なかった。入ったときは、必ずシュートで終わろうと意識していた」と語る積極性を見せたものの、結果を残すことはできなかった。
6月4日の次節は、ホームで岐阜と対戦する。昨季まで4年間プレーした古巣との一戦だ。FC琉球から完全移籍で加入した2019年に右膝前十字靭帯損傷で長期離脱を強いられるなど、在籍中は負傷が多かったこともあり、「4年間の半分はケガで満足にサッカーができなかった。(2019年に)J2からJ3に降格したり、サッカーではあまり良い思い出がない」と振り返る。
ただ「そんな中でも、いろいろな人との出会いや、サッカー選手として成長できる要素がたくさんあった」という。今季も岐阜に所属している選手では「藤谷匠は同い年、ロッカーが隣。ずっと一緒にいた」という旧知の存在。ほかにも「柏木陽介さん、田中順也さんにもお世話になって、よく食事に連れていってもらった」そうで、そんな古巣との一戦に「試合を通して恩返ししていきたいと思っている」と意気込む。
個人的な思いだけではない。前節終了時点で勝ち点14、13位の鳥取は、上位との差が少しずつ広がっており、2013年以来のJ2復帰を果たすためには、これ以上離されるわけにはいかない。「きれいに、うまくやるよりは、とにかく結果。勝ち点3をもぎ取りにいく試合をするべき」とあらためて決意を示した富樫は、「内容うんぬんという段階は過ぎていると、個人的には感じている」と続け、第9節以来3試合ぶり、今季ホームでは初となる勝利を誓っていた。
取材・写真◎石倉利英