ガイナーレ鳥取DF石井光輝が、父になった責任を再確認した。4月9日の明治安田生命J3リーグ第6節で、第一子の長男と初めて一緒に入場。プロ生活の区切りの一戦で以前からの夢をかなえ、喜びをかみ締めるとともに、今後への決意を新たにしている。

上写真=4月9日の試合で、初めて息子と一緒に入場した石井(写真◎石倉利英)

先輩の姿に「あこがれていた」

 ヴァンラーレ八戸とのホームゲーム。キャプテンとしてチームの先頭を切ってピッチに入場する石井は、キャプテンマークを巻いた左腕で小さな子どもを抱いていた。昨年10月に誕生した第一子の長男で、一緒に入場するのは初めて。同じく子どもを抱いて入場したMF普光院誠やチームメイトとともに、試合前の集合写真にも一緒に収まった。

 自分の子どもと一緒に入場するのは、以前からの夢だったという。かつてのチームメイトの姿にあこがれたことがあるからだ。

「星野有亮さんが子どもと一緒に入場しているのを見て、あこがれていました」

 静岡学園高(静岡)、専修大を経てツエーゲン金沢でプロになった星野は、2018年に鳥取に加入(鳥取で2年間プレーして現役を引退)。石井は2歳年上の先輩が息子を連れて入場する姿を見て、いつか自分も、と思っていた。

 現役引退を受けて2020年に星野の背番号16を受け継いだ石井は、今季まで継続して背負っている。あこがれていた先輩と同じように息子を抱いてピッチに入り、「僕も鳥取で同じことができて、うれしいです」と笑顔を見せた。

 八戸戦はJ3通算100試合目の出場という区切りの一戦でもあった。2017年に鳥取でプロになって以降、負傷離脱も多かったキャリアを「7年目で、やっと100試合。まだまだ自分としては納得いく結果が出ていない」と振り返り、「もう一度、気持ちを引き締めるとともに、父親になった責任感を持ち、鳥取で昇格するという強い気持ちでプレーしていきたい」と決意を新たにしている。

 ただ八戸戦で2-0から追いつかれ、一度は勝ち越したが再び失点し、3-3で引き分けた。第4節のカマタマーレ讃岐戦でも2-0とリードしながら、試合終了間際に2失点して2-2で引き分けており、守備の乱れで勝ち点を落とす試合が続いている。

 15日の第7節・福島ユナイテッドFC戦では第2節以来、5試合ぶりの勝利を目指す。守備の立て直しに向けて「難しいことではなく、球際などの基本的なところを粘り強くやることは基本」とポイントを挙げた石井は、「これだけやられていたら、ディフェンスとして悔しい。どう抑えていくかを突き詰めていきたい」と言葉に力を込めていた。

取材・写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.