上写真=今季から愛媛でプレーしている曽田。Jリーグ初ゴールを決めた(写真◎石倉利英)
「これからもチームに貢献できるゴールを」
アウェーでガイナーレ鳥取と対戦した愛媛は、終盤まで2-1とリード。迎えた86分、77分から交代出場していた曽田がエリア内で倒されてPKを獲得し、自らキッカーを務めた。
キックの直前、苦い思い出が頭に浮かんだという。環太平洋大(岡山)2年だった2019年の天皇杯1回戦で鳥取と対戦した際、2-2からのPK戦で5人目として登場し、失敗して最後のキッカーとなっていたからだ。
「最後に自分が外して負けたので、蹴るときに少しよみがえった」ことが影響したのか、右側を狙ったキックはポストに当たったものの、内側にはね返ってゴールイン。ヒヤリとしながらも成功し、「狙ってはいたんですけど…結果オーライです」と笑顔を浮かべた。愛媛は試合終了間際に1点を返されたが、3-2で逃げ切って今季初勝利を挙げており、曽田の3点目は勝利につながる貴重なものとなった。
島根県出身で、地元の大社高から環太平洋大に進み、ファジアーノ岡山の練習生としてJエリートリーグにも出場したが、卒業時のプロ入りはならず、昨季は地域リーグ(中国リーグ)の福山シティFCでプレー。大学までの主戦場はMFながら、当時の小谷野拓夢監督にFWで起用されたことで評価を高め、今季カテゴリーを2つ上げて愛媛に加入した。
開幕戦で先発するなど出場機会をつかみ、地元の隣の鳥取県で記念すべきJリーグ初ゴール。才能を開花させてくれた小谷野氏が、今季から強化育成部長を務めている鳥取が相手という縁もあり、「去年お世話になったので、成長した姿を見せることができた」と語った。
「一生忘れることのできないゴール」と喜んだものの、すぐに視線は今後へ。「これからもシーズンは続いていくので、チームに貢献できるゴールを決めたい」と、さらなる活躍を誓っていた。
取材・写真◎石倉利英