上写真=プロ初ゴールを決めたルーキーの文仁柱(写真◎石倉利英)
「自分がチームを変えたいと思った」
10月23日の明治安田生命J3リーグ第30節で、ギラヴァンツ北九州とアウェーで対戦した鳥取は、開始わずか9分で0-2とされる苦しいスタートを切った。しかし67分までに2点を返して追い付くと、後半アディショナルタイムの90+2分、MF新井泰貴が相手に寄せてボールを奪い、拾った文仁柱がドリブルからミドルシュート。鮮やかに右下スミに決まり、3-2で逆転勝利を収めた。
朝鮮大から加入1年目のルーキーが、うれしいプロ初ゴール。「トラップしてボールを持ち出したときから決めてやろうと思っていた。パスという選択肢はなかった」と振り返り、「前が空いていたので、振り切ってやろうと思った」という積極性で、連敗を3で止める一撃を沈めた。
決めた後はベンチの前に走り、駆け寄ってきたチームメイトとともに『ゆりかご』ダンス。DF石井の第一子誕生を祝うもので、「2点ビハインドだったので、2点目までは決まってもできなかった。最終的に逆転ゴールを決めて『ゆりかご』ができてよかった」と喜んだ。この日の時点で第一子誕生は公表されておらず、DAZN中継でインタビュアーの質問に答えて明かしたのは、いわば『フライング』だったが、石井は「いいよ、と言ってくれた」そうだ。
第28節のプレー中に頭部を強打して脳震とうの疑いで交代し、第29節は欠場を余儀なくされた。「調子が良かっただけに、離脱は痛かった」というものの、復帰後すぐに先発。勝利につながる活躍を見せ、「自分が3連敗中のチームを変えたいと思った。強い気持ちで試合に挑めたと思う」と胸を張った。
10月30日の第31節では、ホームで藤枝MYFCと対戦する。リーグ戦は残り4試合、相手は2位につけてJ2昇格を争っているが、鳥取は18チーム中14位と下位に沈んでいる。それでも「今季まだ残せるものはあると思う」と語った文仁柱は、「どんな形であれ、最後まで攻撃的なサッカーを表現して、ぜひ勝利をつかみたい」と意気込んでいた。
取材・写真◎石倉利英