上写真=会見後の写真撮影。左から鳥取の畑野伸和アカデミーダイレクター、西尾、米子松蔭高の長﨑成輝校長、鳥取の吉野智行強化育成部長(写真◎石倉利英)
U-18からの昇格は3年ぶり
2004年12月4日生まれ、島根県出身の西尾は、地元の東出雲FCでサッカーを始め、U-15から鳥取のアカデミーでプレー。U-18でも着実に成長を遂げ、来季のトップチーム昇格が内定した。182センチの長身を生かした力強い守りが武器のCBで、U-18からの昇格は、現在トップチームでプレーしているDF坂本敬以来3年ぶり、通算10人目となる。
鳥取の吉野智行強化育成部長、畑野伸和アカデミーダイレクター、通っている米子松蔭高の長﨑成輝校長とともに会見に臨んだ西尾は「小さい頃からの目標、プロサッカー選手として活動するという夢を達成できてうれしい」と喜びのコメント。U-15からの6年間でプレー面は「足元の技術が向上し、スペースを見ることができるようになった」と語り、生活面では「特に高校生になってから感じましたが、親に頼らず、自分でできることを、自分でできるようになった」と自身の成長について説明した。
吉野強化育成部長は「身体能力が優れており、対人プレーと空中戦が強い。ディフェンダーですが足元の技術が高く、ビルドアップ能力も優れている」と特徴を紹介。長﨑校長は「学業もしっかり頑張って、他の生徒の模範となっている。トップチームに昇格しても、しっかり頑張ってもらいたい」とエールを送っている。
西尾は「自分の特徴は、身長を生かしたヘディング。そこでは負けないようにしたい」と語りつつ、「1年目で試合に出ることは難しいと思うので、体を作りながら、まずはベンチ入りを目標として、その上でスタメンを取るなど、競争に勝って生き残っていきたい」とコメント。しかし吉野強化育成部長は「我々のクラブは高卒であろうと即戦力だと思っている。現実的に過去3年間、高卒の選手が試合に出て、得点も決めている。もちろん劣るところは多々あると思いますが、1年目のスタートからレギュラーを取るつもりで戦ってもらいたい」とハッパをかけた。
吉野強化育成部長が語るように鳥取は近年、2020年に四日市中央工高(三重)から加入したFW田口裕也、21年に市立船橋高(千葉)から加入したDF石田侑資、今季、飯塚高(福岡)から加入したFW髙尾流星と、高卒のルーキーが1年目から一定の出場機会を得て、それぞれ得点も決めている。来季、2013年以来のJ2復帰を目指す鳥取において、西尾もポジション争いを活性化することができるか注目される。
取材・写真◎石倉利英