上写真=鳥取県庁を訪れた野々村チェアマン(右から2番目)は鳥取県の平井知事(左)、ガイナーレ鳥取の塚野真樹・代表取締役社長と記念撮影(写真◎GAINARE TOTTORI)
「それぞれの地域で、それぞれの成長の仕方がある」
今年3月に就任した野々村チェアマンは、各クラブのホームタウンを訪れて視察を行なっている。すでに約40カ所を回っており、今回は7月16日に行なわれるJ3第17節・ガイナーレ鳥取-AC長野パルセイロ戦を観戦するため、鳥取県を訪問した。
県庁で出迎えた平井知事は「日頃ガイナーレも頑張っていますので、ぜひ見届けてほしい。明日はチェアマンがお見えになったので、かなり点差をつけて勝てると思います」とあいさつ。Jリーグの選手経験者としては初めての就任となる野々村チェアマンに「現場感覚、選手の目線も含めて、Jリーグの改革に進んでいただきたい」と期待を寄せた。
さらに「地域と結びついたJリーグという理念があり、地域、ふるさとが一体となってガイナーレを育ててきた。チームのあり方も、ぜひ温かく見守っていただければ」とコメント。「鳥取県をはじめ、地元としては絶対にガイナーレを支えてまいります」と力強く語った。
これを受けて「現場感覚とおっしゃっていただきましたが、現場をどのくらい理解しているかは、いろいろな決断をするときに絶対に必要だと思っている」と答えた野々村チェアマンは、Jリーグ全58クラブそれぞれに予算規模が大きく異なることを紹介した上で「それぞれの地域で、それぞれの成長の仕方があると、この4カ月であらためて感じている」と指摘。「Jリーグは(クラブの)上部の組織ではなく、どう寄り添い、一緒に汗をかいて、クラブの成長をうながしていくかをやりたいと思っている」と今後の展望を明かした。
また、地域に根差したJクラブの社会連携活動を表彰する『Jリーグシャレン!アウォーズ』で、鳥取が創設年から3年連続でメディア賞を受賞していることを踏まえ、「地域問題、社会問題を解決しようと活動されている。サッカーなので、勝たなければいけないこともありながら、どう地域のためになっていくかはJクラブにとっての生命線」と強調。「社会とのつながりを、どう作っていくかがうまくいくようになると、スタジアムに人が多く入り、その人たちの熱量でチームが勝てる、選手がより高いパフォーマンスを発揮できるようになる。それがサッカークラブの良い循環だと思う」と自身の見解を示した。
新型コロナウイルス感染症はJクラブにも大きな影響を与えているが、「そんな循環を、ぜひ地域の皆さんと作っていただき、50年後、100年後、もし(現在のコロナ禍と)同じような状況になったとき、すごく頼れる存在になっていることが、Jクラブが目指す方向性でもあると思う。そんな存在になっていただけるよう、ガイナーレさんには頑張っていただきたい」と語った野々村チェアマン。最後は平井知事のあいさつを引き合いに「絶対に支える、という言葉が頭に残っています。引き続きご協力よろしくお願いいたします」と呼びかけていた。