ギラヴァンツ北九州MF佐藤亮が、2試合ぶりのゴールで勝利に貢献した。7月9日の明治安田生命J3リーグ第16節・ガイナーレ鳥取戦の前半に先制点。カウンターのチャンスでスプリント能力を発揮し、自陣からゴール前まで走り切ってネットを揺らした。

上写真=先制点を決めた佐藤が会心の表情! チーム前半唯一のシュートで得点を奪った(写真◎石倉利英)

■2022年7月9日 J3リーグ第16節(@Axis:観衆1,203人)
鳥取 1-2 北九州
得点者=(鳥)澤上竜二
    (北)佐藤亮、高澤優也

「価値のあるもの」

 北九州の先制点は32分に生まれた。右サイドから攻め込まれた後のセンタリングをはね返すと、そのまま右サイドに展開。MF藤川虎太朗が敵陣のスペースにロングパスを送り、FW高澤優也が抜け出すカウンターでチャンスを作った。

 このとき佐藤はパスを出した藤川よりも後方におり、「髙澤選手にパスが出たとき、誰も追い付けないくらいカウンターが速かった。自分も自陣のゴール前まで戻っていたので、正直きついかなと思った」と振り返る。それでも「髙澤選手が自分でゴールまで持っていくにしても、おとりが必要だと思った」との判断から、フルスプリントで髙澤を追った。

 髙澤が切り返して鳥取DF鈴木順也をかわすと、「優也! 優也!」と大声で呼びながら猛然とエリア内に走り込んできた。「日頃から積み重ねている、頑張る部分。僕が行ったら、もしかしたら得点につながるんじゃないかという思いで、間に合わなくてもいいから、声を出して全速力で走った」というプレーから、髙澤のパスを右足で蹴り込み、「髙澤選手が見てくれていました。走ってよかったと思いましたし、半分以上は、うまく合わせてくれた髙澤選手のゴール。感謝しなければいけない」と喜んだ。

 北九州は前節、ホームで鹿児島ユナイテッドFCに1-2で逆転負けを喫しており、佐藤は「今回は何としても先制点を取り、追加点を奪って勝とうと話していた」と明かした。チーム前半唯一のシュートで自ら先制点を決めたものの、後半は押し込まれた末に67分に失点。それでも85分に髙澤が勝ち越し点を決めて競り勝ち、「髙澤選手が得点してくれて、チームに勝ち点3をもたらしてくれた。試合に出ている11人と、途中から出る選手、北九州で待ってくれている選手、サポーター、チームスタッフを含めて取った勝ち点3。価値のあるものだと思う」と敵地での勝利を評した。

 2試合ぶりの勝利をつかみ、次節はホームに戻ってFC岐阜と対戦する。前半戦最後の第17節で、北九州にとっては後半戦の巻き返しと、1年でのJ2復帰につなげたい一戦だ。佐藤は「サッカーは徐々に良くなってきているし、チームとしてのまとまりも見えてきている。それを示すのは結果しかない。是が非でも勝ち点3を取る。結果だけを求めて頑張りたい」と力強く語り、今季2回目の連勝に向けて決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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