5月25日の明治安田生命J3リーグ第8節で、ガイナーレ鳥取と愛媛FCが対戦。後半途中までに2点をリードした愛媛に対し、1点を返した鳥取がその後もチャンスを作ったが、逃げ切った愛媛が4試合ぶりの勝利を収めている。

上写真=3試合連続ドローだった愛媛が鳥取を下し、4試合ぶりの勝利(写真◎石倉利英)

■2022年5月25日 J3リーグ第8節(@Axis:観衆646人)
鳥取 1-2 愛媛
得点者:(鳥)大久保優
    (愛)小原基樹、進昂平

・鳥取メンバー◎GK糸原紘史郎、DF知久航介、長井響、石井光輝(HT:小林陸玖)、丸山壮大(86分:魚里直哉)、MF石川大地、世瀬啓人、新井泰貴、安藤一哉(67分:清永丈瑠)、FW田口裕也(71分:大久保優)、澤上竜二(86分:妹尾直哉)

・愛媛メンバー◎GK徳重健太、DF忽那喬司、鈴木大誠、森下怜哉、高木利弥、MF横谷繁、前田凌佑(79分:田中裕人)、近藤貴司(79分:茂木駿佑)、小原基樹(86分:栗山直樹)、FW進昂平(79分:佐々木匠)、松田力(71分:大澤朋也)

1点差とされるも守り切る

 当初は5月5日に予定されていたが、鳥取の複数の選手が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた影響で中止・延期となった一戦の代替開催。この日の鳥取市は午前中から気温が上がっていたが、公式記録の気温は24・0度で、日没前の18時33分キックオフながら、少し暑さが和らいだ中での戦いとなった。

 立ち上がりから両サイドを広く使って敵陣攻略を狙う愛媛に対し、鳥取はボール奪取後の縦に速い展開でチャンスを作る。19分に右CKのチャンスを得ると、選手をゴール前に固めたところでDF知久がファーサイドに蹴り、フリーで走り込んだMF新井が左足でボレーシュート。前日にも練習していたスペシャルプレーだったが、クロスバーに当たって惜しくも決まらなかった。

 ピンチをしのいだ愛媛は21分、最終ラインでパスをつないでから、DF森下が鳥取の右サイドバックとセンターバックの間を狙った浮き球のパスを送り、抜け出したMF小原が鳥取GK糸原の頭上を破って先制点。石丸清隆監督が「鳥取さんがディフェンスラインの背後の処理や、コントロールがうまくいっていないと戦前から予想していたので、そこをうまく突いて1点目が取れたのは狙い通り」と振り返る得点で均衡を破る。

 その後は鳥取がカウンターで良い形を作り、愛媛も敵陣でのボール奪取から追加点のチャンスがあったが、ともに決められず。そのまま愛媛の1点リードで前半を終えた。

 後半、リーグ戦2試合連続無得点で4連敗中の鳥取は、何とか追い付こうと前への圧力を強めるが、追加点を奪ったのは愛媛だった。63分、DF忽那が右サイドをオーバーラップしてセンタリング。ニアサイドに飛び込んだMF近藤がヘッドで触って中央に流れたところを、詰めていたFW進が左足で合わせた。

 2点差とされた鳥取は選手交代で局面の打開を図り、交代出場したFW大久保が78分に1点を返す。MF新井がドリブルからエリア内に鋭い縦パスを送り、大久保がトラップして抜け出したところで背後から倒され、PKを獲得。これを自ら決めて2-1とした。

 これで攻撃に勢いが出た鳥取は、その後も多くのチャンスを作るものの、次の1点が遠い。81分にMF石川が右足で狙ったシュートは愛媛GK徳重の正面を突き、83分には右からのFKをDF長井がヘッドで合わせたが、左ポストに当たって決まらない。

 愛媛は86分にDF栗山を投入、布陣を3バックに変更するが、なおも鳥取の攻勢が続いた。しかし後半アディショナルタイム、鳥取MF妹尾がエリア内右サイドからニアサイドを狙ったシュートは、GK徳重がセーブしてCKに逃れる。その後も鳥取の攻めをはね返し、1点差で逃げ切った。

 5連敗となった鳥取に対し、愛媛は4試合ぶりの勝利。開幕3連敗後に2連勝してから、前節まで3試合連続で引き分けていたが、ようやく勝ち点3を積み上げた。石丸監督は「後半も先に点は取りましたが、自分たちからゲームを難しくしてしまった」と課題を指摘しつつ、「勝ちながらチームを積み上げていくのは大事なこと。それは何とかクリアできたと思っている」と勝利を喜んでいた。

現地取材・写真◎石倉利英


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