上写真=冷たい雨が断続的に降る中での一戦。YS横浜が逆転勝利を収めた(写真◎石倉利英)
■2021年10月17日 J3リーグ第23節(@Axis:観衆739人)
鳥取 1-2 YS横浜
得点:(鳥)石川大地
(Y)宗近慧、菊谷篤資
・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF石田侑資(83分:坂本敬)、鈴木順也、小山珠里、魚里直哉、MF世瀬啓人、新井泰貴(83分:原田虹輝)、妹尾直哉(63分:永島悠史)、杉井颯、FW大久保優(74分:田口裕也)、石川大地
・YS横浜メンバーGK佐川亮介、DF大城蛍、宗近慧、池ヶ谷颯斗、MF船橋勇真(60分:山本凌太郎)、土館賢人、佐藤祐太(82分:菊谷篤資)、宮内寛斗(66分:河辺駿太郎)、FW柳雄太郎、ンドカ・チャールス(66分:林友哉)、神田夢実
残り10分を切って連続ゴール
前日からの冷え込みが進んだ鳥取市は、試合開始前から雨が断続的に降り続き、強い風も吹きつける厳しいコンディション。公式記録の気温は15・9度で、10月3日に米子市で行なわれた前回ホームゲームの気温33・6度から、わずか2週間で半分以下に下がるという寒さの中で行なわれた。
前半は鳥取が良い形でゴールに迫るシーンが多く、縦パスが入った後に複数の選手がサポートしながら相手の守備網を破りにかかる。4月の第6節での勝利後はホームで7連敗中とあって、勝ち点3への意欲がプレーに表れていた。
37分にはDF石田がオーバーラップ後にゴール前でファウルを受け、右寄りの位置でFKを獲得。これをFW石川がゴール左に直接蹴り込み、均衡を破った。鳥取は今季、前半に得点したのは第20節と第22節だけ、どちらもアウェーゲームだったため、今季初めてホームで前半に得点を奪った。
YS横浜も39分、CKのこぼれ球をMF佐藤が左足で狙ったが、惜しくもクロスバーに当たって決まらず。何度か良い形を作ったが得点なく、鳥取が1-0とリードして前半を終えた。
後半は一進一退の攻防が続き、鳥取の追加点のチャンスをYS横浜の守備陣が体を張ってブロックしたかと思えば、YS横浜の攻撃にも鳥取守備陣が粘り強く対応。YS横浜は時間を追うごとに前への圧力を強め、59分には右サイドを崩して決定機を作ったものの、FW神田のセンタリングをFW柳が中央で合わせたシュートは、鳥取GK田尻の正面を突いてブロックされた。
それでも攻めるYS横浜は81分、ついに同点ゴールを奪う。右サイドでこぼれ球を拾ったMF河辺がドリブルで鳥取MF杉井を振り切り、ファーサイドへふわりと浮かせたセンタリング。これをDF宗近が鳥取DF石田に競り勝ってヘッドで合わせ、ゴール左スミに決めた。
追い付かれた鳥取は2人を交代で送り込み、勝ち越しを狙ってチャンスを作るが、次の1点を奪ったのはYS横浜だった。カウンターで左サイドから攻め込み、センタリングを相手DFがクリアしたこぼれ球をMF土館がシュート。鳥取GK田尻が何とかセーブしたが、ファーサイドに流れた浮き球に飛び込んだ交代出場のMF菊谷が、鳥取MF原田と競り合いながら左足で押し込んだ。
残り10分を切ってからの2得点で逆転したYS横浜は、その後の反撃をしのいで勝利。アウェー3連勝を飾り、6試合負けなしで9位から8位に順位を上げた。シュタルフ悠紀リヒャルト監督は「最後まであきらめずに戦った選手をほめるしかない。よくやってくれたという気持ちです」と選手を称賛。さらに「今日の勝利で、7勝7分け7敗とイーブンにもってくることができた。過去8シーズン、シーズンがこれほど進んだ時期には、いままで一度もなかった結果だと思う。Y.S.C.C.というクラブの歴史に新たな1ページを刻む逆転勝利だったので、非常にうれしい」と喜んでいた。
現地取材・写真◎石倉利英