上写真=Jリーグ初得点でチームの勝利に貢献し、さらなる活躍を期して練習を重ねる杉井(写真◎石倉利英)
鮮やかなループシュート
9月11日の明治安田生命J3リーグ第18節。アウェーでFC岐阜と対戦した鳥取は、55分にFW石川大地が先制点を決めると、62分に再びカウンターからチャンスを迎える。61分に交代出場したばかりの杉井が左サイドでフリーとなり、石川からのパスを受けてゴールに迫った。
「めちゃくちゃフリーで、(パスを出せと)呼んだらボールが来たので、シュートだと思った」と振り返る杉井はエリア内に入ると、左足で軽く浮かせるループシュート。懸命に追ってきた相手DFのタックルと、前に出てきたGK桐畑和繁の上を抜いてネットを揺らし、記念すべきJリーグ初得点でリードを広げた。
とっさの判断のように見えるシュートだが、「前半にウチがシュートを打ったとき、ゴールキーパーが前に出ていたので、ループシュートがいけるんじゃないかと思っていた」と語る、交代出場前からの観察を生かしたプレーだった。桐畑は杉井と同じく、今季は柏レイソルから岐阜に期限付き移籍(杉井は育成型期限付き移籍)している。柏レイソルU-18と柏ラッセルFCの先輩でもあり、「昔から知っている大先輩。この人から決めることができればと思っていましたが、まさかあんなにきれいな形とは」と喜んだ。
試合後は友人・知人からのLINEのほか、杉井が積極的に発信しているSNSにも多くの祝福が寄せられたという。「ガイナーレはもちろん、レイソルや(昨季、育成型期限付き移籍でプレーしていた)ツエーゲン金沢のサポーターの方からも、うれしい言葉がたくさん送られてきました。これからも、たくさんもらえるように頑張りたい」。さらに柏のクラブマスコット、レイくんからも公式ツイッターで祝福のツイートが寄せられ、「レイくんからも来るとは思わなかった」と驚きの笑顔を浮かべた。
杉井の得点後にも1点を追加した鳥取は3-0で勝ち、3試合ぶりの勝利で最下位(15位)から14位に浮上した。もちろん喜んでばかりはいられず、リーグ再開初戦の第16節で先発した後、2試合続けて交代出場だった杉井自身も、これから巻き返していきたいところだ。
本人も「リーグ中断前から守備でやられるシーンが何回もあり、課題だと思っていた。岐阜戦で出場するときも、ジョンソンさん(金鍾成監督)に『まずは守備だよ』と言われていたので、勝ち切れてよかった」とコメント。「これからまたスタメンで出るためにも、もっと守備面で成長しなければいけない」と今後を見据え、さらなる成長を誓った。