上写真=6分に左からのセンタリングをヘッドで合わせて先制点を決める三田。左足と右足でも決めてハットトリックを達成した(写真◎石倉利英)
■2021年6月13日 J3リーグ第11節(@チュスタ:観衆1,256人)
鳥取 1-8 長野
得点:(鳥)鈴木順也
(長)三田尚希3、森川裕基2、上米良柊人、榊翔太、坪川潤之
クラブ最多得点記録の大勝に貢献
「今シーズン、点が取れていなかったので非常にうれしかったです。ハットトリックという形で、すごく自信になりました」
試合後のオンライン会見で、三田は静かに喜びをかみ締めた。Jリーグ参入後のクラブ最多記録となる8得点を挙げ、8-1で鳥取に圧勝した長野の攻撃をリードし、次々とネットを揺らした。
ゴールラッシュの口火を切る先制点は6分。MF坪川潤之の左からのセンタリングに合わせ、相手DFの背後から入り込んでヘッドで合わせた。22分の2点目は、GKとの1対1のチャンスで左足シュート。「コースを狙っていましたが、少し浮いてしまったので、ちょっとヤバいかなと思った」と振り返ったものの、ボールは正確に右上スミを捉えた。
3点目は5-1で迎えた78分。DF吉村弦の右からのグラウンダーのクロスを、右足でダイレクトで合わせて右上スミに決めた。鳥取のファン・サポーターからも「うまい!」と声が出るほどのファインゴールで、「リラックスした状態で打てました。クロスの球足が速かったので、振り向くというより、しっかりミートすることに集中してできた」と納得の表情を浮かべた。
長野は今季、カマタマーレ讃岐との開幕戦で勝利したものの、その後は5分け3敗と苦戦が続いていた。三田は第4節のヴァンラーレ八戸戦で今季初得点を挙げたものの、以降ゴールから遠ざかり、「八戸戦も良いプレーとは言えない中での得点でしたが、勢いがつけばいいと思っていました。でも、そのままズルズル(無得点で)来てしまった」という。
しかし、久しぶりのヘッドでの得点をきっかけに、左足、右足でも決めるマルチな活躍。八戸でプレーしていたときの2019年7月、J3第16節で4得点を挙げて以来となる、自身Jリーグ2回目のハットトリックでチームの今季2勝目に貢献し、「(今季初得点の)八戸戦とは別の感情が生まれた」と喜んだ。
それでも「これを機に失速することなく、向上していけたら」と、さらなる活躍に意欲十分。今季未勝利のホームでカターレ富山と対戦する6月20日の次節に向けて「やっと勝てたので、この勝ちを無駄にしないためにも、次はホームで何としても勝利したい」と力強く語った。
現地取材・写真◎石倉利英