5月30日の明治安田生命J3リーグ第9節で、ガイナーレ鳥取とカターレ富山が対戦。立ち上がりから主導権を握った富山が効果的に加点して鳥取を攻守に圧倒、石﨑信弘監督のJ通算700試合目の一戦で完封勝利を収めた。

上写真=富山は2節続けての3-0勝利で首位をキープした(写真◎石倉利英)

■2021年5月30日 J3リーグ第9節(@Axis:観衆:1,156人)
鳥取 0-3 富山
得点:(鳥)なし
   (富)柳下大樹、高橋駿太、大野耀平

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF鈴木順也、世瀬啓人、藤原拓也、MF小牧成亘(55分:杉井颯)、可児壮隆、新井泰貴、安藤一哉、原田虹輝(72分:石川大地)、清永丈瑠(55分:田口裕也)、FW大久保優(72分:谷尾昂也)
 ※実際のポジションで表記

・富山メンバー◎GK西部洋平、DF柳下大樹、林堂眞、戸根一誓、MF音泉翔眞(88分:鈴木翔登)、姫野宥弥、佐々木陽次(79分:末木裕也)、安藤由翔、椎名伸志(88分:碓井鉄平)、花井聖(88分:吉平翼)、FW高橋駿太(67分:大野耀平)
 ※実際のポジションで表記

立ち上がりから主導権を握る

 梅雨の中休みの晴れ間が広がった鳥取地方。公式記録の気温は23・5度だったが、照りつける日差しは強烈で、数字以上に暑さを感じさせる中での一戦となった。

 富山は立ち上がりから厳しいプレッシャーで鳥取に自由を与えず、奪ったボールを敵陣まで運ぶと、MF花井の巧みなパスなどでチャンスをうかがう。良い形を作りながらも得点が奪えずにいたが、33分に右CKをMF椎名が短くつなぎ、パスを受けたMF姫野のセンタリングを、ファーサイドでフリーとなっていたDF柳下がヘッドでたたき込んで均衡を破った。

 第7節終了後に髙木理己前監督が成績不振で解任され、後任となった金鍾成監督のリーグ戦初采配(第8節は試合なし)となった鳥取は、ボール奪取後に素早く切り替えてゴールを目指すが、富山の守備に縦パスを狙われるなど、思うようにボールを前に運べない。逆に富山は先制後も多くのチャンスを作り、前半アディショナルタイムにはFW高橋がエリア内からフリーで狙ったものの、シュートが鳥取GK田尻の正面を突いて決められなかった。

 後半も1点リードで折り返した富山のペースで進み、57分に追加点。右サイドのMF椎名がファーサイドにクロスを送り、MF安藤がヘッドで折り返すと、飛び込んできたFW高橋がダイビングヘッドで決めてリードを広げた。

 2失点目の前に2人を交代で投入していた鳥取は、後半の飲水タイムにさらに2人を投入し、反撃を試みる。だが富山は再開直後の73分、最終ラインから5人の選手が絡んでダイレクトパスを6本つなぐ鮮やかなコンビネーションプレー。最後はMF椎名のパスを受けたFW大野が、鳥取DF鈴木をドリブルでかわして蹴り込んだ。

 鳥取は試合終了間際にようやくゴール前のチャンスが増えたが、89分のFW田口の左足シュートが右ポストに当たるなど、最後まで1点が奪えず。守備の集中力が切れなかった富山が、3-0で勝利を収めた。

 前節に続く3-0勝利で2連勝とした富山は、6試合負けなしで首位をキープ。石﨑信弘監督も「前半から良い形ができていたし、ディフェンスラインも安定していた。本当に良いゲームができたんじゃないか」とコメントした。これまで各カテゴリーのJクラブで指揮を執り、この試合がJリーグ通算700試合目の指揮という節目の一戦で快勝し、「これまでの節目で勝っているか、負けているかは覚えていませんが、700試合目に勝ててよかった。選手たちに感謝したいです」と喜んだ。

現地取材・写真◎石倉利英


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