上写真=両チームが連敗脱出に向けて火花を散らした一戦は、鳥取が開幕戦以来の勝利(写真◎石倉利英)
■2021年4月25日 J3リーグ第6節(@Axis:観衆1,121人)
鳥取 1-0 讃岐
得点:(鳥)清永丈瑠
(讃)なし
・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF石田侑資、鈴木順也、藤原拓也、MF小牧成亘、世瀬啓人、安藤一哉、原田虹輝(85分:新井光)、清永丈瑠(90+2分、妹尾直哉)、FW田口裕也、大久保優(74分:可児壮隆)
※実際のポジションで表記
・讃岐メンバー◎GK高橋拓也、DF小松拓幹、竹内彬、西野貴治、MF川﨑一輝、西本雅崇(85分:長谷川隼)、薩川淳貴(68分:渡辺悠雅)、岩本和希(68分:後藤卓磨)、中村駿太、FW栗田マークアジェイ(60分:林友哉)、重松健太郎
※実際のポジションで表記
今季初の無失点
午前中は快晴だった鳥取地方だが、キックオフ前には雲が厚くなり、強い風が吹きつけて寒さも感じる中での一戦。開幕4連敗で最下位に沈む讃岐は、第3節(第2節は試合なしのため消化は2試合)終了後に辞任した上野山信行GM兼監督に代わり、4月12日に就任したゼムノビッチ・ズドラブコ新監督の初陣で、3連敗中の鳥取と、どちらが悪い流れを断ち切れるかに注目が集まった。
立ち上がりから球際の激しい攻防が続く中、前半に風上に立った鳥取は、21分に右からのセンタリングをFW大久保がヘッドで合わせたが、惜しくも右ポストに当たって決まらず。大久保は30分にも右からのセンタリングに合わせてニアサイドに走り込み、左足で合わせたが、負傷明けで加入後初出場となった讃岐GK高橋の好セーブに阻まれた。
一方、重松と栗田の2トップを軸に得点機をうかがう讃岐は、徐々に相手ゴールに近づくシーンを増やしていく。39分にはMF中村がミドルシュートで狙ったが、鳥取GK田尻の正面を突き、前半は0-0で終了した。
後半は風上に立った讃岐が開始直後から意欲的にゴールに迫っていたが、その矢先の52分に鳥取が先制点を奪う。DF藤原が最終ラインから送ったロングパスに、大久保とMF清永が反応。エリア内で大久保が寄せてきた相手DFを浮き球でかわすと、追走していた清永が落ち際を右足ボレーで蹴り込んだ。
さらに鳥取は56分、FW田口がドリブル突破から右足で狙うが、讃岐GK高橋が右足でセーブ。これを機に流れは讃岐に傾いたが、65分にゴール正面から狙ったMF西本の右足シュートは枠を捉えず、80分に右からのセンタリングを重松がヘッドで狙ったシュートも上に外れた。
讃岐はその後もGK高橋が好セーブを見せ、最後まで勝機をつなぎ留めたが、鳥取は時計の針を進めながら最後まで集中力を切らさず。そのまま1点を守り切って勝利を収めた。
鳥取は今季初めて相手を完封し、開幕戦以来の勝利で連敗を3でストップ。「3連敗という状況、コロナ禍にもかかわらず、1121人の方々が足を運んで後押ししてくださったことに、言葉では言い表せないくらい感謝しています」と語った髙木理己監督は「3連敗で迎えた試合がAxisバードスタジアムで、本当によかった」と、代替日程で開催された4月21日の第4節に続く、ホーム連戦での連敗脱出を喜んでいた。
対照的に讃岐は開幕5連敗。「両チームとも良い状態ではなく、試合は五分五分だったと思います。ウチも結構チャンスはありましたが決められず、相手が決めて1-0で勝った」と語ったゼムノビッチ新監督は、「選手に何も文句を言うことはありません。最後の最後までみんなが頑張ったので、このままでいけば、次の試合では結果が出ると思います」と、ホーム初采配となる5月1日の第7節・アスルクラロ沼津戦に気持ちを切り替えていた。
現地取材・写真◎石倉利英