ガイナーレ鳥取FW田口裕也が、自信を胸に2試合連続ゴールを狙う。3月14日の開幕戦で得点し、プロ1年目の昨季に続く開幕戦ゴール。いまだ達成していない複数得点も視野に、コンスタントな活躍を目指す。

上写真=2年続けて開幕戦でゴールを決め、翌日の練習でも軽快な動きを見せた田口(写真◎石倉利英)

「取らせてもらった感じ」

 鹿児島ユナイテッドFCと対戦した3月14日の明治安田生命J3リーグ開幕戦で、控えスタートだった田口は54分から交代出場。鳥取は0-2でリードされており、得点が必要な状況で「自分が決めてやろうと思っていた」と振り返る。

 64分に右CKをヘッドで合わせ、鋭いシュートがゴールの枠を捉えた。GKのファインセーブに阻まれたものの、「始動してからのプレシーズンを含めて、今季一番フィーリングが良かった。どこかで取れるチャンスが来ると思った」という手応えをつかむ。直後のCKから65分にDF石田侑資が追撃の1点を決めると、ほどなく好調ぶりを証明する同点ゴールを決めた。

 74分、左サイドをオーバーラップしたDF石井光輝のクロスに合わせて、ゴール前のスペースへ走り込んだ。「光輝さんが顔を上げた瞬間に『来る』と思って、光輝さんのクオリティーを信じて走った」というプレーから、ヘッドで合わせてファーサイドへ。「当てるだけで入るようなボールが来ました。取らせてもらった感じ」と感謝するアシストからのゴールだった。

 鳥取はその後、後半アディショナルタイムにMF新井光が決めて3-2の逆転勝利。田口は四日市中央工高(三重)から加入したプロ1年目の昨季も、6月の開幕戦で交代出場からゴールを決めて勝利に貢献しており、2年続けて開幕戦でのゴールで鳥取を勝利に導いた。

 ただ、悔しさも残った。前述の64分の決定機に加え、逆転した後の試合終了間際にもMF魚里直哉のパスから右足で狙う決定機があったが、相手DFに当たって決められなかった。昨季リーグ戦8得点を挙げたものの、1試合での複数得点は一度もなし。今回もチャンスはあったが達成できなかった。

「シーズン2ケタ得点を目指す上でも、チームを勝利に導く上でも、複数得点は大切。自分が2点以上取れれば、チームもかなり楽になる」と本人も自覚している。試合終了間際のチャンスを「決めなければいけなかった」と語ったが、交代出場から「本番には強いタイプだと思う」と語る通りの結果を引き寄せた。

 プレシーズンのレギュラー争いではライバルの後塵を拝した。悩んだ時期にGK福留健吾やDF小牧成亘、昨季限りで鳥取を退団し、現在は関東リーグのブリオベッカ浦安でプレーするDF上松瑛など先輩選手のアドバイスを受けて「前への推進力や、がむしゃらにプレーするところが自分の良さ。『自分の特徴を消すくらいなら、がむしゃらにやった方がいいんじゃないか』と言ってもらって、楽になった」という。

 結果を出せば、自信も深まる。21日の第2節、いわてグルージャ盛岡とのホーム開幕戦に向けて「良いイメージが残っています。点を取れる気しかしない」ときっぱり。2試合連続ゴールとチームの連勝に向けて、決意を新たにしていた。

取材・写真◎石倉利英


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