上写真＝デビュー翌日の練習でも精力的な動きを見せた杉井（写真◎石倉利英）
「めちゃくちゃうれしかった」
3月14日の明治安田生命J3リーグ開幕戦で、鳥取は鹿児島ユナイテッドFCとアウェーで対戦。前後半の立ち上がりに失点し、後半途中まで0-2の劣勢を強いられていたが、65分と74分の得点で同点とした。
ベンチスタートだった杉井が交代出場したのは85分。今季、柏レイソルから育成型期限付き移籍で加入し、鳥取およびJ3でのデビュー戦で中盤の2列目に入って、相手のボールホルダーに積極的にプレッシャーをかけた。
「最初から出ている選手は（体力的に）きつい。誰かが走って、誰かが戦わなければ、やられてしまうので」
そう振り返ったプレーは、1月の新加入選手会見で「自分の特徴は3つ。1つ目はビルドアップ。2つ目は声を出してチームを盛り上げるところ。3つ目はチームのために戦うところです」とコメントした通り。「自分が入ってから失点するのは、絶対にやってはいけない。時間帯を考えても、自分が走らなければいけないと感じていました」との思いでボールを追ったという。
チームへの貢献が実ったのは後半アディショナルタイムの90＋3分。MF安藤一哉のCKをMF新井光がヘッドで決め、鳥取は3-2の大逆転勝利を飾った。得点後に喜びの輪に加わり、試合後も大きな声を上げて喜んでいた杉井は「鳥取でのデビュー戦で劇的な勝利を飾ることができて、めちゃくちゃうれしかった」と喜び、「ああいうときは、どんどん喜びたいです。そうすればファン・サポーターの方も盛り上がってくれて、また試合を見に行こうと思ってくれるはず」と語った。
昨季のツエーゲン金沢に続いての育成型期限付き移籍。今後も髙木理己監督の起用法に応じて「監督が求めることを、100パーセント以上でやることが絶対に大事」との思いで臨む。「監督も信頼してくれていると思うし、自分も信頼しています。どのポジションで出ることになっても、求められること以上のものを出すことが大事だと思っている」と意欲的だ。
21日の第2節、ホーム開幕戦では、いわてグルージャ盛岡と対戦する。会場のAxisバードスタジアムでは、2月に一般公開された紅白戦でプレーしているが、公式戦は初めて。あらためて「自分のプレーを表現して、チームが勝つことが重要」と意気込みを語った杉井は「試合数が少ないJ3では（今季は1クラブ28試合）連勝が大事。チーム一丸となって、自分自身も全力で戦いたい」と決意を新たにしていた。
取材・写真◎石倉利英
