上写真=鳥取での2年目に向けてポジション争いに挑む福留(写真◎石倉利英)
「どれだけ最高のものを出せるか」
「昨年のシーズン終了後、オフに入ってからも、プレシーズンで自分の力を示せるように準備してきました。ここまでは個人的にもチームとしても、良い準備ができていると思います」
開幕に向けて練習を重ねる姿に充実感が漂っている。鳥取県の大山町出身で、地元のクラブに加入して2年目。昨季は4月に左手小指基節骨を骨折して出遅れたが、今季は万全の状態で精力的にメニューをこなしている。
地元の境高から関西大に進み、卒業後はプロを志してドイツへ。10部や8部、4部など下部リーグでプレーしたのち、水戸ホーリーホック、アスルクラロ沼津でのプレーを挟み、2019年はアルビレックス新潟シンガポールでプレーした。鳥取に加入した昨季は前述の負傷の影響もあり、第21節まではベンチ外。第22節から控えに入ったものの、全34試合にフルタイム出場した田尻健の定位置を脅かすには至らなかった。
だが、そんな昨季を「ケガをしているときも、メンバーに入れないときも、控えのときも、自分が置かれている状況に左右されず、自分自身がどれだけ最高のものを出せるかにフォーカスしてきた」と振り返る。その姿勢は今季も変わらず、「自分の状況や周りの評価に左右されていたら、本来持っている力すら出せなくなる。自分を見失うことなく、自分のすべてを出すこと。どんな状況でもぶれずにやり続けるところが自分の強みだと思っているので、続けていくだけ」と言葉に力を込める。
海外や国内で、さまざまな状況に直面した経験を基に「これまで培ってきたもの、経験してきたもので、いまの自分がある。それをすべて出すことが、必ずチームにとってプラスになる」と考えている。地元のクラブをJ2復帰に導くために、日々変わらぬ姿勢でゴールマウスに立ち続けている。
取材・写真◎石倉利英