湘南ベルマーレのアカデミーから昇格したプロ1年目の今季、ガイナーレ鳥取に期限付き移籍したMF横川旦陽。J1で活躍できる選手になるべく、多くの試合に出場して経験を積みながら、鳥取のJ2昇格に貢献する決意だ。

上写真=1月20日、鳥取での初練習に臨んだ横川(写真◎石倉利英)

「ここで活躍して、追い抜きたい」

「湘南と比べると鳥取は正直、寒いです」と笑った。今季初の全体練習が行なわれた1月20日、練習拠点がある鳥取県米子市の最高気温は8・8度だったが、朝の最低気温はマイナス1・1度。前日の午前中には雪が降るなど、鳥取地方は寒い日が続いている。

 U-15年代から湘南のアカデミーで育ち、湘南ベルマーレU-18からトップチームに昇格した今季、鳥取に期限付き移籍。まだ高校生とあって新加入選手会見には学生服姿で臨み、「プロ1年目のサッカーキャリアをガイナーレで始められることを、うれしく思います。湘南育ちということで、自分の特徴は最後まで走って、戦うところ。ボランチやセンターバック、サイドバックなど、いろいろなポジションをできるのも特徴です」とアピールした。

 最初の練習から「先輩たちがイジってくれたりして、楽しかった」という。「試合に出るために来ているので、ライバルですが、チームメイトだし、ピッチの外に出れば先輩・後輩です。ピッチ外で仲が悪いのに、ピッチ内で息が合うかと言われたら難しい」と持論を語り、「プロフェッショナルの選手であれば、仕事のためにできると思うのですが、自分はプロ1年目で、そこまでのレベルに達していないと思う。ピッチ外でも敬意を払いながら、その人を知り、息が合ったプレーをするためにも、鳥取は良い環境だと感じました」とチームの印象をコメントしている。

 鳥取に来たのはもちろん、いずれ湘南で、J1で活躍できるだけの力をつけるためだ。「J1やJ2とはカテゴリーが違いますが、プロサッカー選手はベンチに座っているだけでは意味がない。試合に出ることを目標に、毎日を戦っていきたい」と意気込み、湘南のスタッフに「毎日を大切にして、吸収して、頑張ってこいと言われた」激励を胸に、定位置確保を目指す。

 2019年のU-17ワールドカップに臨んだU-17日本代表のメンバーで、同年代の選手にも刺激を受けている。「年代別代表で一緒にやっていて、J1やJ2で試合に出ている選手もいる。いまは先を走っていると思いますが、ここで活躍して、追い抜きたい」と言葉に力を込めた。

 一方で「ここで簡単に試合に出られるとは思っていない」とも語り、厳しいポジション争いは覚悟の上。プロ1年目の背番号は29番に決まった。15チーム、全28節で争われる今季のJ3リーグで「全試合に出ることを目標に、プレシーズンに臨みたい」と抱負を述べ、「戦って、最後まで走って、カウンターの守備でも自分が戻って止める。J2昇格に向けて、自分が持っている力をすべて出して戦います」と強い決意を口にした。

取材・写真◎石倉利英


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