12月13日の福島ユナイテッドFC戦で、試合終了間際に劇的な逆転ゴールを決めたガイナーレ鳥取MF安藤一哉。J2昇格の可能性が消えて迎えた一戦で、チーム一丸でつかんだ勝利の価値をかみ締めているという。

上写真=8月の第8節以来となるプロ2点目を決めた安藤(写真◎石倉利英)

「すごく充実した1年」

 12月13日の明治安田生命J3リーグ第33節で、福島ユナイテッドFCとアウェーで対戦したガイナーレ鳥取は、0-0で迎えた61分に先制される苦しい展開を強いられていた。だが68分にFW大久保優が同点ゴールを決めると、迎えた後半アディショナルタイムの90+1分、MF安藤一哉がカウンターから右サイドをドリブル突破。カットインでエリア内に入って利き足の左足を振り抜くと、ニアサイドを破って逆転ゴールとなった。

 2-1の勝利につながった劇的な一撃を、安藤は「(相手DFの)股下を狙っていましたが、あんなにきれいに決まるとは思っていなかったです」と振り返る。DF井上黎生人が前半、DF藤原拓也が後半に負傷交代するアクシデントに見舞われながらも勝利をつかみ、「みんなで守って、みんなで攻めて、最後に、たまたま僕が決めただけ。チーム全員で力を振り絞って決めたゴールです。みんなの力が足に伝わりました」と笑顔で語った。

 東京農業大から加入1年目の今季、開幕当初は控えだったが、シーズン中盤以降はレギュラーに定着し、福島戦を終えてJ3リーグ31試合出場・2得点。コロナ禍でのシーズンを踏まえて「まず、この状況下でサッカーができていること自体が本当に幸せ。試合にあたって、いろいろな人の支えがあるのだと感じました」と感謝する。

 当初はプロの世界への戸惑いもあったそうで、「最初は周りのレベルについていけず、自分だけ取り残されている感じがあった」という。それでも「周りの選手や髙木理己監督にアドバイスをもらいながら成長できた。人間的にも成長することができた、すごく充実した1年でした」と手応えをつかんでいる。

 第32節でJ2昇格の可能性がなくなった鳥取は、来季へつなげる残り2試合の初戦に勝利し、12月20日の最終節はホームでロアッソ熊本と対戦する。勝てば8位から4位まで浮上する可能性がある一戦は、計6シーズン在籍し、今季限りでの現役引退を発表しているFWフェルナンジーニョのラストマッチでもある。

「残念ながら昇格はできませんが、ファン・サポーターの皆さんに強いガイナーレを見せたい」と言葉に力を込めた安藤は、「この1年、フェルさんのような偉大な選手と一緒にプレーできたことは自分の財産。学ぶことがたくさんありました」とコメント。「まだまだ一緒にやりたかったです。良い形で送り出したい」と続け、偉大な選手の花道を飾り、勝利でシーズンを締めくくることを誓った。

取材◎石倉利英 写真◎石倉利英、Fukushima United FC


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