上写真=八戸は前半アディショナルタイムの45+2分、FW安藤翼(白)が蹴り込んで先制。前半のうちに先制できたことが大きかった(写真◎石倉利英)
■2020年11月22日 J3リーグ第29節(@チュスタ:観衆1,108人)
鳥取 1-2 八戸
得点:(鳥)フェルナンジーニョ
(八)安藤翼、須藤貴郁
・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF井上黎生人、石井光輝、小牧成亘(78分: フェルナンジーニョ)、MF可児壮隆、MF三沢直人、安藤一哉(72分:藤原拓也)、坂井大将(HT:新井泰貴)、新井光(78分:上松瑛)、魚里直哉、FW大久保優(HT:田口裕也)
※実際のポジションで表記
・八戸メンバー◎GKゴ・ドンミン、DF黒石貴哉、須藤貴郁、深井脩平、MF中村太一、新井山祥智、高見啓太(66分:前田柊)、國分将、丸岡悟(67分:佐藤和樹)、FW上形洋介、安藤翼(87分:秋吉泰佑)
前半から数的優位に
鳥取県米子市のチュウブYAJINスタジアムでの今季最後のホームゲーム。米子市は11月19日の最高気温が26・9度となるなど、季節外れの暖かさが続いていたが、この日は公式記録の気温が17・6度、試合が進むにつれて冷え込みが厳しくなる中での一戦となった。
立ち上がりから八戸がセットプレーなどでゴールに迫る回数が多く、鳥取がしのぎながら敵陣への侵入をうかがう展開が続いたが、37分に試合が大きく動く。鳥取MF可児と八戸FW安藤のルーズボールの競り合いで、スライディングしながら足を伸ばした可児が右足の裏で安藤の右ヒザ裏を蹴ってしまい、レッドカードで一発退場。鳥取は前半から10人での戦いを強いられることになった。
数的優位に立った八戸は、前半終了間際の45+2分に均衡を破る。MF國分の左からのパスをMF丸岡がスルーすると、ボールの行く手にいた安藤がワンタッチで前に持ち出す鮮やかな連係から、右足で蹴り込んだ。
鳥取はハーフタイムに2人の選手交代を行ない、布陣を4-4-1に変更。前線のスペースへのロングパスを効果的に使い、11人のときよりも敵陣に侵入する回数を増やしていた。しかし、次のゴールを奪ったのは八戸。58分、ゴール前でのFKを安藤が狙い、GK田尻がはじいたこぼれ球に反応したFW上形がセンタリング、詰めていたDF須藤が蹴り込んでリードを広げた。
その後も勝利を決定付ける3点目を狙う八戸に対し、鳥取は懸命にはね返して反撃を試みると、試合終了間際にMF三沢がFWフェルナンジーニョとのワンツーからエリア内に入ったところで、八戸MF前田に倒されてPKを獲得。これをフェルナンジーニョが決めて(得点時間は90分)、1点差に追い上げた。
数的不利の中、何とか勝ち点1でももぎ取りたい鳥取は、その後も攻め込んだものの、八戸も体を張った対応で阻止。1点差を守り切って2-1の勝利をつかんだ。
八戸は試合前の時点で、鳥取との通算成績が今季第9節を含めて2勝1分けと相性が良く、今回も勝ってシーズンダブルを達成。10月の第23節・鹿児島ユナイテッドFC戦以来、6試合ぶりの勝ち点3獲得となり、中口雅史監督は「無失点で終われればよかったですが、自分たちは勝ち点3を取る、勝利することに飢えていた。選手たちが良い成果を挙げてくれた」と久しぶりの勝利を喜んでいた。
現地取材・写真◎石倉利英