上写真=決勝ゴールの翌日、10月26日の練習では軽いメニューを消化した石井(写真◎石倉利英)
「ネンイチじゃないことを証明」
「自分のところにボールがこぼれてきて、良い位置に置くことができた。相手もあまり飛び込んで来なかったので、しっかり枠に入れようと思って打ちました」
ガイナーレ鳥取DF石井光輝は、10月25日の明治安田生命J3リーグ第23節・藤枝MYFCで決めたゴールを、こう振り返る。前半を1-0で折り返した鳥取は、83分に同点とされたものの、後半アディショナルタイムの90+1分、ゴール前のこぼれ球を拾った石井が左足で蹴り込んで劇的な決勝ゴール。2-1で4試合ぶりの勝利をつかんだ。
7月の第6節、FC今治戦でゴールを決めたときは、チームメイトに「ネンイチ(年に1回のゴール)」と、からかわれていた。DFだけに、その可能性もあるかと思われたが、見事に今季2得点目。「ネンイチじゃないことを証明できてよかった」と笑顔を浮かべている。
昨年10月の第27節、ザスパクサツ群馬戦でのJリーグ初ゴールから始まり、今季の2得点を含む全3得点が左足で決めたもの。右利きのDFとしては珍しい数字と言えるかもしれない。
これについて本人は「左足の方が、あまり力まずにシュートを打てているかな」と分析。「右足でミドルシュートを打つと、強い弾道のボールが行きますが、ゴールの枠に入らないことも多い。左足だと、いい感じに力が抜けているんじゃないかと思う」と持論を展開した。得点した3試合はすべて勝っており、引きの強さも証明した格好だ。
この勝利で鳥取は、順位は7位で変わらないものの、J2昇格圏内の2位との勝ち点差が5に縮まった。石井はDFとして、藤枝戦で一度は追い付かれた守備の乱れを反省するとともに「これを継続していかなければ意味がない」とコメント。ホームでセレッソ大阪U-23と対戦する10月31日の次節に向けて、気持ちを引き締めていた。
取材・写真◎石倉利英