藤枝MYFCのFW吉平翼が、9月2日のガイナーレ鳥取戦で今季2点目。GKとの1対1を制した同点ゴールだったが、チームは競り負けた。それでも中2日で臨む次節に向けて、エネルギーを使い切る働きを誓う。

上写真=3試合連続の先発出場で同点ゴールを決めた吉平(写真◎石倉利英)

■2020年9月2日 J3リーグ第13節(@Axis:観衆573人)
鳥取 3-1 藤枝
得点:(鳥)井上黎生人、三沢直人、新井光
    (藤)吉平翼

GKとの1対1を確実に決める

 9月2日の明治安田生命J3リーグ第13節で、11分に先制された後もガイナーレ鳥取に押され気味だった藤枝MYFC。だが34分にFW吉平翼が同点ゴールを決め、流れを引き寄せた。

 MF片岡爽からのパスに反応し、最終ラインの背後に抜け出した。「オフサイドかどうかは分かりませんが、副審が一瞬見えて、旗も上がっていなかった」というプレーで鳥取GK田尻健と1対1に。間合いを詰められた上に、左右の背後からDF2人が迫ってくる難しい状況だったが「落ち着いていて、GKが飛び込んでくるのが見えたので、滑ってきたらボールを浮かそうと思っていた」と振り返る。

 田尻は滑らず飛び込んできたが、「少し浮かして横にずらして」右にかわし、すぐさま右上スミへシュート。難易度の高いフィニッシュを「相手からのプレッシャーもありましたけど、うまく冷静に決めることができた」と振り返った。

 ただ、チームは後半立ち上がりの53分に勝ち越し点を奪われた。1失点目はCKから、2失点目はFKから決められたもので、「今年はセットプレーが課題」と吉平が挙げた問題点を露呈。同点とした後も「もう一つの課題である後半の入りで、またセットプレーでやられてしまった。前半の失点してからの守備と、後半の守備は悪くなかったと思うので、セットプレーの2失点が、もったいなかった」と語るように、良い流れを持続することができなかった。

 連勝が3でストップし、6試合ぶりの黒星を喫した藤枝は次節、中2日のアウェー連戦で9月5日にガンバ大阪U-23と対戦。藤枝には戻らず、そのまま大阪入りするタフな日程で、吉平も「今季初の中2日なので、総力が問われている。まずは全員が回復することを意識したい」と強調する。

 だが一方で「個人的には、疲れていることに幸せを感じている」という。大分トリニータのアカデミーから2016年にトップチームに昇格し、ブラウブリッツ秋田や藤枝への期限付き移籍を経て今季、藤枝に完全移籍。今節終了時点で10試合に出場しているシーズンを「ここまで試合に絡めることは、僕のサッカー人生ではなかった」と語る。

 だからこそ「『疲れているから走れない』は、なし」だと考えている。「疲れている中でもやり切って、5人交代なので、あとを託す。ゴールもそうですが、メンタル的な部分を、みんなでしっかりやっていきたい」と、石﨑信弘監督に起用されていることを意気に感じて、過密日程でも全力を尽くす決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英


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