上写真=相手のシュートを3本に抑えた今治戦。CB今瀬淳也(5番)などが堅陣を築いた(写真◎KATALLER TOYAMA)
暑さに負けず敵地で完封勝利
カターレ富山の安達亮監督は試合後のオンライン会見で「守備から試合に入り、オーガナイズした守備ができた。結果論ですが、狙い通りの良い結果が出た」と振り返った。8月23日の明治安田生命J3リーグ第11節。FC今治とアウェーで対戦した富山は3-0で勝利し、前節終了時点の6位から4位に浮上した。
強烈な日差しに、公式記録で77パーセントという高い湿度の厳しいコンディションとなった一戦。安達監督は15時キックオフの暑さを踏まえて守備から入るゲームプランを組み、「最近動きの良い選手、走れる選手をスタートから出した」と明かした。さらにハーフタイムに2人を交代で送り込んだ(ほかに佐々木一輝が前半途中で負傷交代)のも、「前半だけで何人か交代しなければいけないと、最初から覚悟していた」という考えに沿ったものだったという。
「前半はある程度ボールを持つことができたけれど、なかなかシュートまでいかなかった」と安達監督は評したが、それでも前半終了間際の44分に先制。相手の前半のシュートはアディショナルタイムの1本のみに封じ、「ハーフタイムには『これだけボールを持てるなら、ゴール前でのシュートの意識、ディフェンスラインの背後を取る意識で、2点目を取りにいこう』と指示した」とコメントした。
その言葉通り、73分にカウンターから追加点を奪うと、77分にはCKから3点目。守っても相手の後半のシュートを3-0とした後の2本のみ、計3本に抑えて完封した。今治は昇格1年目ながら、前節終了時点で富山の一つ上、5位につけており、「例年、昇格してきたチームを我々は苦手にしているので、今日も厳しい試合になると思っていた」と安達監督は語ったが、それを感じさせない快勝だった。
「アウェーに来て、非常に暑い中でタフな試合になったが、戦う姿勢が出ていた。ただの勝ち点3ではなく、収穫がたくさんある」と喜んだ安達監督は、「上位を狙う、昇格に向けて勢いをつける1勝になった」と勝利の意味を強調。勝ち点11差で首位を走るブラウブリッツ秋田、同5差で2位タイのガイナーレ鳥取とロアッソ熊本を追撃すべく、「今後もこれくらいの試合ができるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。
現地取材◎石倉利英 写真◎KATALLER TOYAMA