上写真=開幕から正GKとして鳥取のゴールを守る田尻(写真◎石倉利英)
「勝つにしても内容にこだわる」
ガイナーレ鳥取は7月25日のJ3リーグ第6節で、FC今治に2-1で勝利。4連勝で2位タイと好調だが、GK田尻健は「欲を言えば無失点で勝ちたい」と振り返る。「勝ったことはうれしいですが、もっとできると、たぶん僕だけでなく、みんなが思っている」と語り、さらなる成長の必要性を強調した。
今治戦は12分に右サイドから攻め込まれ、先制点を奪われた。相手のシュートはタックルしたDF井上黎生人の足に当たり、田尻と、カバーに入っていたDF石井光輝から逃げるようなスライス軌道になってゴール右スミへ。不運な面もあったように見えるが、田尻は「反応が遅れたので、ああいうことも想定することが必要。もっと練習せなあかん、と思った」とコメント。どんな形であれ、失点につながった自分のプレーに言及した。
今治戦は何とか逆転したものの、試合後に髙木理己監督が「イージーなミスパスが(今治戦の前の)カマタマーレ讃岐戦の前半から続いていて、自分たちから苦しくしている展開が、まだまだ散見される」と語ったように、試合全体を振り返れば苦しい展開だった。それは田尻も理解しており、「勝つにしても内容にこだわり、ミスを減らして、もっと圧倒して勝てるようにしていかないと、J3リーグは簡単じゃない。もっと突き詰めて、こだわっていきたい」と改善の余地について語る。
ジュニア時代からアカデミーで育ち、2012年にトップ昇格を果たしたG大阪では、通算7シーズンで公式戦出場はルヴァンカップの1試合のみ。ツエーゲン金沢に期限付き移籍していた18年に開幕から9試合、J2リーグでフル出場しており、今季はそれ以来となる試合出場を重ねている。
「試合に出ないと分からないことがある」と言う田尻は「いまは連戦ですが、試合で出た課題を、すぐ次の試合でフィードバックできる」と強調。「みんなもそうですが、開幕戦より良くなっていると思うので、充実しています」と現状を明かした。
7月29日の第7節では、ロアッソ熊本とアウェーで対戦する。2位タイで並ぶ相手との直接対決に向けて「まず無失点で終わるのが一番」と語った田尻は、「しっかり取らないと、優勝も遠ざかってしまう。優勝するための、一つ目のターニングポイントだと思います」と続け、完封勝利への意気込みを新たにしていた。
取材・写真◎石倉利英