上写真＝第2節から先発出場を続ける坂井。後半開始直後の今季4得点目が決勝点となった（写真◎石倉利英）
■2020年7月19日 J3リーグ第5節（@Axis:観衆765人）
鳥取 1-0 讃岐
得点：（鳥）坂井大将
（讃）なし
苦しんだ前半を無失点に抑える
後半開始から、まだ25秒しかたっていなかった。ハーフタイムの交代で出場したばかりのMF新井光が、倒されそうになりながらも相手選手3人を振り切り、左サイドから中央へドリブルで進む。そこに右サイドから走り込んできたのが、MF坂井大将だった。
「素晴らしいパスだったので、あとは決めるだけだった」
新井からの優しいパスを確実に左スミに蹴り込むと、駆け寄ってきたチームメイトの祝福を受けた。この日、鳥取では今季初の有観客試合。ファン・サポーターはゴール裏にも陣取っていたが、「いつもならサポーターの皆さんも盛り上がっていたと思いますが、こういう状況なので、少し落ち着いた感じの喜びだったと思います」と坂井は笑顔で振り返る。爆発的な歓喜とはいかなかったが、「僕たちのパワーになっていたし、良いプレーをすると拍手してくれて、後押しになった」という、サポートに応えるゴールだった。
前半は讃岐に主導権を握られ、何度もピンチがあった。攻撃も機能不全となった戦いを、坂井は「僕がうまくハーフスペースを使えなかった。また、ロングボールが多くなったので、（田口）裕也に入ったところのこぼれ球を狙ったり、試行錯誤しながらの45分間でした」と語る。だが「失点しなかったのは大きい。しっかり抑え切ったのがよかった」との言葉通り、0-0でしのいだことが、後半開始直後の先制点と、1-0勝利につながった。
大分トリニータから期限付き移籍で加入した今季、6月27日のJ3リーグ開幕戦こそ控えスタートの途中出場だったが、第2節から先発出場を続けている。第2節での2得点は勝利につながらず、2-3の敗戦だったものの、前節は2-1の勝利につながる逆転ゴール。今節と合わせて今季通算4得点はチーム最多だ。
前節のゴールは、相手ゴール前で新井光がGKにプレッシャーをかけてミスを誘発し、ボールがこぼれたところを蹴り込んだもの。今節は同じ新井光からのパス。その前の2得点も含めて「みんながつないでくれたパス。みんなに感謝しています」と喜んだ。
第3節からの3連戦を3連勝として、2位に浮上。それでも坂井は「また次から3連戦が始まるので、もう一度3連勝したい」と、FC今治をホームに迎える7月25日の第6節以降も、連勝を伸ばしていきたい思いを口にした。
現地取材・写真◎石倉利英
