鳥取がJ2昇格争いに踏みとどまる勝利を挙げた。2連敗中だったホームで相模原を2-0と下し、5試合ぶりの勝ち点3。今季ブレイク中のFW林誠道がチーム最多の8得点目を挙げ、残り11試合での逆転J2昇格へとチームを勢いづけた。

上写真=19分に先制点をマークした林が会心の咆哮! チームに流れを引き寄せる一撃だった(写真◎石倉利英)

■2019年9月15日 J3リーグ第23節
 鳥取 2-0 相模原
 得点者:(鳥)林誠道2

3年ぶりの得点からブレイク

 鳥取の先制点は、鮮やかなコンビネーションから生まれた。19分、DF上松瑛の縦パスをMF三沢直人がワンタッチで落とすと、林がやはりワンタッチで持ち出し、相手DF2人の間を割って入ってエリア内へ。「スペースが少ないところで直人さんが良いボールをくれたので、あとはシュートのことしか考えていなかった」という林が右足でゴール左スミに蹴り込み、ネットを揺らした。

 林は後半立ち上がりの48分にも、左サイドのスペースに流れてMF福村貴幸のロングパスを受け、相模原DF富澤清太郎と1対1に。「あそこは絶対に仕掛けようと思っているので、振り抜いた」という左足シュートは、富澤のタックルでコースが変わってGKの頭上を抜け、ゴールに吸い込まれた。

 大阪産大附高を卒業した2015年に鳥取に加入した林は、初先発した同年第6節でJ初得点を挙げたものの、その後の過去3年間は得点がなく、計4シーズンで1得点。今季も開幕はベンチ外だったが、徐々に評価を高めた。今季初先発だった第4節で3年ぶりの得点を決めると、その後は交代出場や、控えで出番がないなどの浮き沈みがありながらも得点を重ね、この日の2得点でキャリアハイの得点数を、さらに更新している。

 得点だけでなく、周囲と連動しつつ前線からボールを追う守備でも貢献。持ち味のスピードを攻守両面で生かしており、2015年に林が加入した当時、松波正信監督の下でコーチを務めていた高木監督も、この日の試合後に「総体的に何で上回っているのか、という点で、林の努力はもっと評価されていいと思っている」と語り、プロ5年目のブレイクをあらためて喜んだ。

 J3は首位・群馬、2位・熊本など上位陣がそろって調子を上げており、今節を終えて残り11試合で、J2昇格圏内の2位と鳥取の勝ち点差は9。2013年以来のJ2復帰には、これまで以上の加速が必要な状況で、林は「目標は2ケタ得点ですが、それも通過点。1試合1試合、やるべきことに取り組み、J2昇格に向けて積み上げていきたい」と語り、さらなる貢献を誓っていた。

取材・写真◎石倉利英

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