上写真＝尹晶煥監督は次の相手、熊本を「流動的で活発」と警戒している（写真提供◎JEFUNITED）
「何か特別なことをするよりも」
ジェフユナイテッド千葉が戦った9月18日のJ2第37節。モンテディオ山形とのアウェーゲームで、1点のビハインドを負った56分に、尹晶煥監督は一気に4人を交代した。選手の配置を3-4-2-1から4-2-3-1に変化させたのだ。
「勝負したかったんです」と尹晶煥監督は狙いを振り返る。
「勝ちたかったので、前線を厚くしていこうと決断しました。とにかく点を取りにいこうという意図は、うまく伝わったと思います」
両ワイドには、FW登録の攻撃的な選手を置いた。右にはブワニカ啓太、左にはリカルド・ロペス。見木友哉はトップ下へ。
「トモ（見木）が真ん中で動かせる選手なのでシャドー気味に入って、ロペスは仕掛けることができる選手ですし、ブワは中に入ってきてクロスに合わせるヘッドも得意なので入れました」
ただ、つくり出したチャンスをゴールという形にすることはできず、85分には追加点を奪われて0-2で敗れることになった。同勝ち点だった山形に先を行かれた形だが、残り5試合でプレーオフ圏内の6位に浮上する可能性は残されているから、狙わないわけはない。
「やることは変わりません。守るだけではなくて攻めたいです。それは毎回そうですから。ただ、ボールを持つ時間がまだ短いので、そこは成長していかなければならないところです」
シーズンのどの段階であっても、成長を求めるのが監督の役割だ。だが、それもあと5試合になってしまった。今季限りでの退任が発表されていて、ホームではもう2試合しか残されていない。その一つが、次のロアッソ熊本戦だ。「全員が流動的に、活発に動き続けるチーム」と評したが、この4位のチームに勝って差を詰める絶好のチャンスだ。
「一人ひとりがしっかりと整理して、残り5試合でやってきたことを全部出しきるんだという気持ちを持ってほしいと思っています。誰が出ても、そういう気持ちで戦うことが今後の自分にとっても、選手にとっても大事になってきます。この時期に、何か特別なことをするよりも、これまでやってきたことをやってほしいと思っています」
尹晶煥監督自身も、最後の5試合ですべてを出しきるつもりだ。
