上写真=尹晶煥監督は山形に対して「ついていかない」ことで守り抜く(写真提供◎JEFUNITED)
「相手もやりづらいかもしれません」
ツエーゲン金沢に1-0、いわてグルージャ盛岡に2-1とともに1点差でしぶとく勝利を収めたジェフユナイテッド千葉は、3連戦のラストマッチにモンテディオ山形と相まみえる。勝ち点は52と同じ。山形のほうが消化試合数が1試合少ないだけに、プレーオフ進出へ勝ち点3が絶対的に求められる「決戦」と言っていい。
「時間は90分あるので、我慢強くやればチャンスはあると思います」
尹晶煥監督は焦らないで最後まで戦うことを選手に説く。岩手戦では押し込まれながらもそのことを実行して勝利につなげた。良かったことは続けたい。ただ、縦にパワフルな岩手と違って、山形はショートパスを連続させる戦い方が旗印。前節は首位の横浜FCに2-0で快勝している。
「つないで前に速い選手がいるので、横浜FCも行こうと思ったところで失ってカウンターで後半に2失点しています」
横浜FCとの攻め合いを制した格好で、「僕たちとやるときはまた違うかもしれないけれど、山形はビルドアップでセンターバックから正確なミドルパスを出す選手がいます」と警戒する。どう対抗するつもりだろうか。
「山形は全体が流動的にポジションチェンジをしながら攻めるので、捕まえにくいところがあります。でも、こちらは難しく考える必要はない」
あまり相手を気にしすぎてはいけない、という平常心を選手に植えつける。
「流動的な動きに対して多くのチームがマンマークでついていって、そのためにスペースができて、2列目から3人目の動きで崩すことが多いんです。もちろん、ついていくことも必要ですけど、ポジションチェンジしても僕らはついていかずに、我慢強くゾーンで守るので、相手もやりづらいかもしれません」
8月以降の8試合でわずか4失点。守備の安定に胸を張る。だからこそ、守備から転じる攻撃のブラッシュアップが狙いになる。
「前から奪いにいけるのならいきたいけれど、ダメなら自陣に戻って守ればいい。前で奪ってショートカウンターを狙いたいけれど、そうでなければ我慢強く守りたい。積極的にいきたい気持ちはあります」
岩手戦では、7試合ぶりに復帰した高橋壱晟の役割が攻撃のカギになっていた。
「早く自陣に戻ってラインを作ったあと、壱晟を前に出して攻撃に人数をかける狙いでした。いい場面もあったけれど、もっと相手の背後を狙っても良かった」
数的優位をどこでつくるのか。ボールを握ってくる山形が相手でも、押し込まれたあとに攻撃へ切り替える局面のメカニズムがポイントになりそうだ。