上写真=岩手戦では我慢の勝利。田邉秀斗は千葉で初の連勝を経験した(写真提供◎JEFUNITED)
樺山諒乃介には「負けられないですね」
勝って悔しがる。上昇志向の頼もしい表れだ。
「自分たちが早々に得点して、一度落ち着かせなければいけないところで処理ミスが出て失点してしまったので、結果的には2-1で勝てましたけど、2-0で終わらせるのとはだいぶ違うので悔しかったです」
千葉のDF田邉秀斗は、いわてグルージャ盛岡とのJ2第36節を振り返る。開始早々にPKを獲得、4分に櫻川ソロモンが決めてアウェーゲームで幸先よく先制したものの、31分に同点とされた。
押し込まれる展開が続き、思うように千葉が主導権を握れない時間が長くなった。しかし、79分には西久保駿介のクロスに田口泰士がヘッドで強くたたいて、決勝点をもたらした。7月に加わった田邉にとっては、千葉で初の連勝だ。それでも、無失点で乗り切れなかったことを悔やむのはディフェンダーの性だろう。
一方で、どれだけ相手に分があってこちらが劣勢になっても、勝ち点3を取ることのほうが大事で、「試合の内容は良くなかったと思いますけど、勝ち点3を取りきれたのは良かった」と喜んだ。「押し込まれていた状況で、失点はしてしまったけれど、立て続けに失点せずに我慢して耐えることができた」ことを最大の勝因に挙げている。
パワーで押し込むのが得意の岩手には我慢して逃げきったが、次のモンテディオ山形は流れるようなパスワークでテンポ良く前進してくるチーム。3連戦の最後にテクニカルなチームが待ち受ける。田邉は「みんなが言っているように、うまいチームだと思いますが、前線にフィジカルに強い外国籍選手を置いてくる岩手のようなチームのほうが個人的には苦手なので、山形のほうが戦いやすいと思っています」と対戦を心待ちにする。
山形の主力として攻撃を引っ張るのが、同い年の樺山諒乃介。横浜F・マリノスから育成型期限付き移籍でプレーするドリブラーだ。
「負けられないですね。中学生のときから知っていて、久々に試合ができるのが楽しみです。やはりドリブルには注意していて、ポジション的にはあまりマッチアップしなさそうですけど、できたら対峙したいと思っています」
山形が消化が1試合少ないものの、勝ち点52で並ぶ。得失点差で後塵を拝しているが、樺山を抑えて気持ちよく勝って、上回りたい。
「押し込まれながらも、一つスキを突いて点を取って勝てば勝ち点3はもらえます。どんな勝ち方でもいいので6位以内には入りたい」
岩手戦で手応えを感じた「我慢しながらスキを突く」展開は、同じくアウェーの山形戦でも生きるかもしれない。