上写真=尹晶煥監督は金沢戦の戦いぶりに「感激した」と本音を明かした(写真提供◎JEFUNITED)
「欲だけを出してしまうと厳しい試合になる」
57分の先制ゴールが決勝点。ツエーゲン金沢をホームに迎えた9月10日のJ2第35節で1-0の勝利を収め、尹晶煥監督は「感激した」と笑顔だった。
その前日に、尹晶煥監督が今季限りで退任することがクラブから発表された。「動揺するところも選手にはあると思いましたけど、それを試合で見せずに集中して戦ってくれた」ことに心を動かされたという。
そのゴールは、右寄りにいたチャン・ミンギュが相手陣内に入ってすぐに鋭く縦パスを送り、ポストに入った櫻川ソロモンが相手を巧みにブロックしながらヒール、抜けた高木俊幸が受けてえぐって一度戻し、西久保駿介がワンタッチでゴール前へ送ると、見木友哉が流し込んで生まれた。複数の選手がそれぞれの特長を組み合わせた鮮やかなコンビネーションは、尹晶煥監督が3年をかけて培ってきた果実のようにも見えた。
その勢いをつなげたい。尹晶煥監督にとっては退任発表から「最後の8試合」である。その最初の金沢戦を勝ちきり、9月14日にアウェーで戦う次の相手は、開幕戦で敗れたいわてグルージャ盛岡だ。初めてJ2に昇格した初めての試合で初めての勝利を献上したのだから、その分は返してもらわなければならない。
「セットプレーが強いチームだということ、カウンターが速くてミドルシュートの成功率も高い、という印象があります。セットプレーで高さを生かし、セカンドボールを決めるという強みを持っていると思います」
千葉は現在10位で、昇格プレーオフ圏内まで勝ち点6差。もう負けるわけにはいかない。
「チャンスは作っていないわけではないので、決めるところで決めればやりやすくなります。でも、その欲だけを出してしまうと厳しい試合になると思うので、気をつけなければいけません」
過ぎたるは及ばざるが如し。だから、前のめりになりすぎてしまっては勝利が遠のく。「選手たちがこの前の試合で見せてくれたように積極的に続けていって、その中で落ち着いてプレーしなければいけない」というバランスがカギを握りそうだ。