上写真=尹晶煥監督は緊急事態の守備には評価を与えている(写真提供◎JEFUNITED)
「守るだけでは勝つことはできません」
守る、と、攻める。ジェフユナイテッド千葉はホーム3連戦の2戦目となる8月17日のヴァンフォーレ甲府戦で、完封することができた。しかし、得点はなかった。
コロナ禍と負傷の影響でメンバーが思うように揃わず、西久保駿介、田邉秀斗、佐々木翔悟の急造3バックで臨んだ。終盤には佐々木の負傷などで、ルーキーで19歳の西久保、2種登録で18歳の桑原晃大と17歳の谷田壮志朗の10代トリオが守り切った。
「プレッシャーにいけるところではしっかりいっていたし、真ん中もしっかり絞って守ってくれました。チーム全体が守備の意識を強く持ってくれました」
尹晶煥監督も苦しい陣容ながら、ゴールを許さなかった戦いを評価する。ただ、勝てなかったのも事実。
「守ることはできたけれど、サッカーは守るだけでは勝つことはできません」
ボールを握るスタイルの甲府が主導権を握るのは想定内だが、こちらが奪ったあとが問題だった。
「奪ったあとにつながらない場面がすごく多かった。一人ひとりがきつい中でも前に進める形を作らないといけなかった」
次の相手の徳島ヴォルティスも、支配率を高めて押し込んでくる。中2日と厳しい日程だが、甲府戦でできたことをぶつけて、できなかったことに修正を加えていく。
「徳島も持つ時間が長いチームなので、我慢強く守りながらカウンターのチャンスはあると思います。それをどれぐらい生かせるか。奪ったあとにカウンターにいくときも、(前線で)キープができて2列目がどんどん走っていくところがうまくつながれば。相手に攻められるより、自分たちが逆に攻める時間を作らないといけないと思うので、そういうことができれば徳島も困るのではないかという気がしています」
押し込んできた裏を狙うのは常套手段だが、ポイントはどこで守備を構えて、どこで攻撃のスイッチを入れるか、ということ。
「最初から全体を下げるわけではないですし、ラインを整えた上で状況によって途中で後ろに下がるしかなくなるかもしれません。できればハーフウェーラインのあたりで奪えれば素早くカウンターになるので、その意識を持って入らないといけない」
キーエリアは、ハーフウェーライン付近。その攻防で、徳島をひっくり返す。