上写真=風間宏矢は9試合連続先発出場中。千葉の攻撃の鍵を握る存在だ(写真提供◎JEFUNITED)
「スキなく勝ち点を取り続けられるか」
栃木SCに0-1、横浜FCに0-4と敗れて、7月23日のヴァンフォーレ甲府戦は新型コロナウイルス感染症の影響で中止。ジェフユナイテッド千葉は少しまとまった時間を過ごして連敗の痛みを癒すことになった。
「練習する時間が多くなったので、攻撃でオーガナイズされた部分を共有する時間があったのはプラスですね」
風間宏矢は仲間とともにそんな2週間を過ごしたという。横浜FC戦後には見木友哉も攻撃の形をもっと作っていくことが大事だと話していて、「得点を取るバリエーションが増えるのに越したことはないし、攻撃の選手は常にそう思っています」と風間も同調する。
千葉は1試合消化が少なく、次のファジアーノ岡山戦を終えるとシーズンの残りが3分の1となる。現在は勝ち点37の9位だが、プレーオフ圏内の6位ロアッソ熊本とはまだ4差だ。一方で、千葉から下は勝ち点3差に8チームがひしめくから、油断もできない。つまり、中位グループは一つの勝利や敗戦で順位が乱高下する混戦模様だ。
だから、次の一戦がカギを握る。岡山は勝ち点44で5位。前節では首位だったアルビレックス新潟にシーソーゲームの末に逆転勝利を収めていて、手強い。岡山は新潟がサイドにボールを入れたところで強度を強めてボールを奪いにいくシーンが多かった。同じ戦い方で向かってくるかはわからないが、右サイドハーフの風間がボールを持った瞬間に相手がプレスのスイッチを入れてくる可能性もある。
「どこか特定のチームがサイドの守備の強度で特別に高いと感じることはないですね。どのチームも高いですから。ただ、岡山は堅いチームなので、判断の部分で頭の回転が大事になると思っています。ボールをもらう前のポジショニングと判断は、疲れていても速さを出さなければいけない」
岡山の推進力はJ2でもトップクラスだから、風間のところで引っかけられれば一気にピンチになる可能性もある。それを避けるための「頭脳」というわけだ。
もう一つ、最前線のミッチェル・デュークの高さも岡山の武器だ。特にビルドアップを簡略化して後方からロングボールを送って、デュークが競ったあとのセカンドボールを回収する効率の良さにはどのチームも苦しめられている。その長いキックを蹴らせないためにも、風間をはじめとした前線の選手たちの守備意識が必要になってくる。
「ラフに入れてくることも多いと思うので、ブロックを敷くよりも前から奪いにいく場面が多くなるかもしれません。これも岡山戦だけのことではありませんが、相手のサイドバックやセンターバックに対して自分がプレスをかけるタイミングで前に出ていくことは大事にしています」
この2週間で再調整した攻撃の実行力はもちろん、岡山の術中にはまる前の「予防プレス」の出来がポイントの一つになるだろう。残りは15試合だが、千葉は昨年、最後の13試合を負けなしで駆け抜けている。特に「残り10試合でスキなく勝ち点を取り続けられるか」と風間が見据えるラストスパートへ向けて、岡山を止めてさらに混戦に持ち込むことが、千葉の上位進出のシナリオになる。