上写真=チアゴ・デ・レオンソは来日2カ月でなじんだ。3試合連続アシスト中(写真提供◎JEFUNITED)
「9番のイメージとはかけ離れている」
第18節V・ファーレン長崎戦で初ゴール。第19節水戸ホーリーホック戦、第20節ベガルタ仙台戦、第21節ヴァンフォーレ甲府戦で3連続アシスト。チアゴ・デ・レオンソが本領発揮だ。
しかも、この4試合は3勝1分け。その前のロアッソ熊本戦では出場していないが、これも合わせれば3勝2分けで5試合負けなしである。ジェフユナイテッド千葉は8位にまで順位を上げて、前半戦を終えている。
「周りとのコミュニケーションがうまく取れていて、自分がどういう選手かもわかってもらえています。感謝していますし、自分もみんなの特徴をわかり始めています」
4月に加わって2カ月。シーズンの後半戦に向けて、ブラジル人FWの準備は整った。
3連続アシストの内容が、プレーの多様性を物語っている。
水戸戦でブワニカ啓太の豪快ボレーを導いたのは、ペナルティーエリア手前でのポストプレーで見せた巧みなヒールパスだった。仙台戦は自陣で奪ってからのカウンターで、右足のアウトサイドで左へと滑り込ませて見木友哉を走らせる、球足の長いオープンパスだった。甲府戦では風間宏矢からの右からのパスに対して最初のタッチでは跳ねさせてしまったが、ルーズボールに強引にヘッドでつつきにいって、ブワニカにつなげた泥臭いプレーだった。
「皆さんが思っている9番のイメージとはかけ離れているんです。スルーパスとかラストパスを送り出すこともできるので、相手の逆を取れることが強みになっています」
最前線でどっしり構えてポストプレーや空中戦に強いという、典型的なセンターフォワード=9番のイメージを逆手に取るムービング型なのだ。
「日本人のディフェンダーはアグレッシブで速い。かいくぐるためには先読みすることです。そうすれば、相手より一歩先に出ることができる。そこからどう体を動かすかはフィーリングです」
来日2カ月で日本のフットボールのスタイルに最適化してきた。「武器はたくさんある」と豪語するうちの一つとなる、「いろいろなレーンで顔を出して起点になる」こと、そして甲府戦のアシストで見せたような「フォワードにとっては重要な武器でなければならない」という泥臭さが、その礎になっている。
そんなスタイルから、「ベンゼマが目標です」という。レアル・マドリード(スペイン)のエースとして、どこにでも顔を出し、うまくてしなやかで速くて強く、ゴールパターンは多彩。世界最高峰のFWにあやかって、リーグ後半戦にはゴール量産だ。