上写真=尹晶煥監督は「いま雰囲気がとてもいい」と連勝の効果を実感している(写真提供◎JEFUNITED)
「流動的にできればオプションに」
左の風間宏矢から右横でボールを引き取ったあと、見木友哉が選んだのは真ん中だった。尹晶煥監督はこの判断を称えた。
J2第19節でジェフユナイテッド千葉が水戸ホーリーホックを逆転で下した今季初の連勝劇。尹晶煥監督は「すぐ同点ゴールと追加点まで入れたので、みんなが落ち着いてプレーしてくれた」と振り返る。12分に先制されて間もない21分に同点にして、38分にはもう逆転した流れを評価した。
中でも同点ゴールは、そこに至るまでの崩しもフィニッシュも鮮やかだった。風間がつないで見木が縦パス、チアゴ・デ・レオンソが落としてブワニカ啓太が左ボレーで突き刺した。この流れで、見木がサイドから預かったボールを中央にしっかりと差し込んだ判断が重要だった。
「サイドから中に入ったときに、中央突破してからシュートに持っていった形でした。サイドからはクロスだけではなくて、サイドから中に入ったところからのコンビネーションをずっと話してきました。トモ(見木)もあそこでもう一度サイドを選ぶのではなくて、真ん中を選択した。そして、そのあとはブワの決定力ですね」
サイド攻撃が得意だが、相手ゴールに近づいてからの選択――クロスを上げるのか、中央に運んで崩すのか――に改善を求めてきた。その要求をきちんと表現した見木の判断を高く評価したというわけだ。
チアゴ・デ・レオンソの活躍も大きい。V・ファーレン長崎戦で来日初ゴールを挙げ、続くこの水戸戦ではブワニカのゴールのアシストと、見木のゴールのきっかけになるミドルシュートは「実質アシスト」。尹晶煥監督も、チームになじみ始めたブラジル人FWに期待を寄せる。
「チームに慣れてきて、積極的にシュートを打っています。プレーする中でどんどんアシストやゴールを決めればチームがすごく助かります」
チアゴの動きで前線に流動性も生まれ始めている。
「ゴール前に立って決めてくれればいいけれど、それはさせてもらえないので、チアゴが動いたところに誰かが入っていったりと流動的にできればオプションになります。いま、それができていますから、クオリティーを高めていきたい」
勝利によって、チームがスムーズに動き始めた。天皇杯のツエーゲン金沢戦、そしてJ2第20節のベガルタ仙台戦に勝って、さらに上昇気流に乗っていきたい。