上写真=新井章太は「いろいろな選手がメンバーに入ってきて、アピールしたがっている」と競争力アップを実感している(写真提供◎JEFUNITED)
「嫌だなと思わせるフォワードですね」
ジェフユナイテッド千葉にとって明るい話題は、川又堅碁の復帰だろう。J2第17節のロアッソ熊本戦で今季初のベンチ入り。0-1と劣勢の89分にはピッチに立った。2020年12月20日のJ2最終節、ギラヴァンツ北九州戦以来のことだ。
「最近はいろいろな選手がメンバーに入ってきて、すごくアピールしたがっている選手がたくさんいます」
多くの選手が試合を経験することで競争力は高まり、新井章太はチームの活性化を感じているが、中でもこの男。
「チームにとって大きいのは川又の復帰だと思います。コンディションをどんどん上げて、チームを勝たせてくれることを願っています」
ピッチに入ってからゴール前に居座り続けることで、相手の守備陣に警戒心を与えた。90+3分に鈴木大輔が右からのFKにヘッドで合わせて同点ゴールを決めたが、川又もその混戦の中にいて、鈴木が触れなければ川又が、という場所に立っていた。
「決めるところを決める選手だし、『そこにいる』というのが正しい表現だと思いますが、ポジショニングや駆け引きはほかの選手とはやはり違います。嫌だなと思わせるフォワードですね、本当に」
ここ5試合でわずか2得点。攻撃のパワーがほしいところで実現した川又の復帰に、新井の思いは強い。
「勝負強さで生きてきた選手ですから、そこでどんどん引っ張っていってほしい。どこで勝負するかという勝負勘を持っているので、そういう選手が前線にいると違います。僕と大輔の後ろからではなく、前で引っ張ってくれるとポジティブになります」
プレーはもちろん、気持ちでチームを高める存在が加わったことが何よりの吉報だ。
「久々の試合だったので難しい点もあったと思いますけど、確実にあいつの気迫や経験が必要になってくるので頼りにしています」
最前線で川又、最後尾で新井。チームを引き締めるベテラン2人が、ここからたたき上げていく。