上写真=チアゴ・デ・レオンソは得点が生まれないストレスは「練習することで発散する」と勤勉(写真◎JEFUNITED)
「もう少し自分のカラーを出す」
「いままでプレーしてきたどんなリーグより、比べものにならないぐらいにインテンシティが高い」
ジェフユナイテッド千葉に加わった新ブラジル人ストライカー、チアゴ・デ・レオンソは驚く。185センチ、82キロの筋骨隆々でも、日本のサッカーにおける強度の高さは予想以上だったという。
4月の来日当初は戸惑いを隠せず、守備のミッションをこなすプレーがなかなかできなかった。しかし「いまはもう、そんなことはないと思い始めています」と手応えがある。
「自分も戦う選手ですが、日本のサッカーはボディーコンタクトが多いので、慣れるのに苦労しました。自分もコンタクトは好きですが、力よりも知恵が優る、という考えです」
知恵はコンビネーションを高めるのに大きな役割を果たしてくれる。
「どちらかというと戦術を理解できるタイプだと思っていますが、どんなときにもコミュニケーションは必要で、いまはボランチがいい声かけをしてくれてやりやすい」
後ろの声は神の声、と言うが、まさにそれ。「守備で自分がどの選手を牽制しなければいけないか、右、左と指示してほしいと話しています」と全幅の信頼を置いている。
「ボランチはチームの脳みそで、彼らから出る指示は信頼しているし、どんな局面でも彼らの指示を聞くことでスムーズに攻守に転じることができるので、非常に大切な存在です」
6試合でまだゴールはなく、「そこはいま、自分自身にプレッシャーをかけています。自分をもっと見てくれるようにと味方に要求しています」と本人が一番心待ちにしている。
「このサッカーに慣れるために、シンプルにプレーしようとしてきました。でも、岡山戦の前は連敗していたので、もう少し自分を出さなければいけないと思い始めていました。チームの歯車としてプレーしていましたけど、もう少し自分を出さなければいけないと」
「監督とも話をして、監督にはまだ自分のカラーを見せることができていないんです、と言いました。ただ僕も、もう少し自分の武器をポケットから出さないといけないと思っています」
初めて経験する日本のサッカーに慣れるためだけの時間は、そろそろ終わりだろう。ここからは、チアゴの前向きなエゴがチームのために発揮される。
「自信がないと次のステップに進めません。まずトライ・アンド・エラーというよりも、シンプルにプレーして自信をつけてから、トライ・アンド・エラーをしていくつもりです」
その先に、うれしい日本初ゴールが待っているはずだ。