佐藤凌我の3試合連続ゴールが、東京ヴェルディの連敗を食い止めた。4月23日の明治安田生命J2リーグ第11節で、ジェフユナイテッド千葉に先制されて終盤まで時計は進んだが、81分に佐藤が同点弾。2連敗のあとの難しい試合でチームを救ったのだが、本人は反省に次ぐ反省で…。

上写真=佐藤凌我が繰り返しゴールに迫る動きが結果として表れた(写真◎J.LEAGUE)

■2022年4月23日 J2リーグ第11節(味スタ/5,110人)
東京V 1-1 千葉
得点者:(東)佐藤凌我
    (千)高木俊幸

「3人目として入っていく」

 8戦負けなしのあとの2連敗。東京ヴェルディはこれ以上、負けるわけにはいかなかった。しかし、ジェフユナイテッド千葉を迎えたJ2第11節で、52分に先制ゴールを許して劣勢。

 だが、このままでは終わらなかった。

 81分、馬場晴也が阿野真拓とのパス交換で最終ラインから持ち運んで、杉本竜士へ縦につける。すると、右から佐藤凌我が中央へ入ってきた。杉本のワンタッチパスを預かると、左足で冷静にゴールに流し込んだ。同点だ。

「チームとしてああいうボールに3人目として入っていくことはやっていました」

 これで3試合連続ゴール。でも、どうしても満足できない。

「前半には外していますし、きっちり決められるようにならないと。動き自体は見てくれているので、決めるだけかなと」

 それは37分のことで、左サイドで外から中に走るのに合わせて、梶川諒太がワンタッチパスを足元に流し込んでくれた。一つ持ち運んでから放った右足のシュートはしかし、わずかに右に切れていく。左右は逆だが、自分がサイドから中央に走り込んだところに仲間がボールを預けてくれるという、ゴールシーンと同じパターン。まさにこの失敗が「予行演習」になった格好だ。

 89分には左の杉本からニアにクロスが上がって、そこに走り込んでヘッドで狙った。逆転ゴール、と思った次の瞬間にボールは左ポストをたたいた。

「杉本選手からあのタイミングで入るという確信があっての動き出しだったので、感触自体は悪くないと思ったんですけど、結果に結びつかなければ意味がないので、決められるようにしていきたいと思います」

 37分も89分も、決めることができなかった悔恨だ。裏への大きな動きでボールを引き出し、出てこなければ動き直して、の繰り返しで前線を撹乱していった。仲間も信頼してボールを届けてくれた。しかし、そこにも反省がつきまとう。

「自分の動きが単調で、背後への動き出しと手前で引き出すバランスが自分の課題としてあるので、もう少し落ちて引き出しても良かったと思います」

 ルーキーイヤーの昨季は途中出場も多かったが、42試合で計13ゴール。今季は11試合中9試合が先発だ。しかも3戦連発の計5ゴールで、いよいよエースの風格を手に入れようとしている。

「走る部分や戦う部分が、勝っていたときに比べて落ちていると言われていて、そこを見つめ直して一人ひとりが気持ちを強く持って入ろうと話していました。その部分は出せる時間帯もありましたし、ボールを持つ強みを出せる時間もあったので、決めきる部分で自分がもう少し仕事ができれば勝ちにつながったと思います」

 反省反省、また反省。佐藤はそうやって、名実ともにエースへの道を歩んでいくのだ。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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