上写真=尹晶煥監督が東京Vに打ち勝つために、サイドチェンジの重要性を説いた(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)
「内容的には悪くない」
ジェフユナイテッド千葉はアルビレックス新潟に勝ち、FC町田ゼルビアと横浜FCに引き分けて、上昇気流に乗ろうとしていた。しかし、最下位に沈んでいた大宮アルディージャとの一戦で、1-2で敗れてしまうのだ。先制点を献上したのは、鈴木大輔のミスからだった。
「早く忘れたほうがいいと話しました」
尹晶煥監督はキャプテンの心中を慮って、声をかけたという。
「いい経験になったと思うし、大輔がこれからイージーなミスで失点に絡むことをなくさないといけない。本人もわかっているのでよく反省して、次の試合から集中してやれると思います」
ミスからの失点で敗れたもどかしさを払拭するためのコミュニケーション。4月23日から始まる5連戦で、もう一度勢いを取り戻すために問題点をクリアにした。
攻撃についても、大宮戦の反省がそのまま、これからの5連戦に生きてくるというのが尹晶煥監督の見立てだ。
「サイドチェンジをできるタイミングでできていなかったので、相手もスライドして守れるようになりました。サイドチェンジしたあとも崩せなくて、相手が人数をかけて下がってラインを作ったところに対して、こちらの人数も少なかった」
横への揺さぶりが遅れ、相手に待ち構えられた状況では崩し切ることは難しかった。
「サイドチェンジのタイミング、サイドチェンジしたあとの崩し、クロスのタイミングについて、この前のミーティングで話をしました。積極的に仕掛けないといけないと思います。どのチームも勝つときにはああやって守ってくるのでいい勉強になっていますが、コンビネーションプレーを増やさなければいけない」
千葉は3-4-2-1のフォーメーションを採用していて、右の福満隆貴や米倉恒貴、左の秋山陽介や末吉塁が「4」の両翼を担当する。そこに田口泰士と熊谷アンドリューのボランチと、見木友哉、高木俊幸のシャドーが絡んでサイドを押し込むのが理想形。そのために、横に動かすタイミングを逃してはいけない。
「これまでのことを崩してなにか新しいことをするのは難しい。ここまでも悪くはないですし、いまのままのシステムで落ち着いたプレーが必要だと思います。ヴェルディは4バックなので、サイドチェンジのタイミングを逃さず攻めなければ」
ここまでの戦いに一定の手応えを感じているからこそ、5連戦で結果を出して一気に上位に躍り出たい。
「チャンスが来たときに決めきれないところが多いので、決めれば流れは良くなると思います。そういうところが勝負になるので、内容的には悪くないだけに決めきることが大事です」
素早いサイドチェンジから崩してゴール。それが千葉の勝利への方程式だ。